テラドリーマーズ〜目指せ!有名プレイヤー!
@syekiner
第1話 ほんの小さな、燃え盛る火種
世は玉石混交、魑魅魍魎、混沌極まるストリーミング時代。
あるサイトに超人気の神配信者いれば、あるアプリには信者を量産する配信者もいる。
法律に真っ向から唾を吐くような動画投稿者や、趣味でやってるような奴も多いだろう。
そんな溢れんばかりの娯楽が生み出されているのは他でもない。
お金が生まれるからだ。
数多のの欲望と感情が詰め込まれ、また生まれる。それが今2040年の配信戦国時代…!
ピザの取り合いでいつかは崩壊すると言われてはや30年、ここまで続けば始めた時期なんて関係ない。
初め時はいつだって今しかない!
「さぁ、こっから有名になってやる!」
気合を入れるために独り言を呟いた俺は、空調の効いたマンションの一室であるゲーム…『テラドリーマーズ』のサービス開始時刻を待っていた。
2040年現在、VR・AR技術の発展によって人々の生活は変化しなかった。
かつてのスマホと同じように数々の利便性をもたらせど生活の根幹は変わらずにいた。
しかし、娯楽という1面においては大きな進歩を遂げている。
フルダイブ型のVR技術もそのひとつで、様々な娯楽を生み出した。
それはゲーム配信というジャンルにも大きな革新をもたらし、プロゲーマーの意味を大きく塗り替えた。
大会の賞金を得るプロに加え、ゲームをプレイし、その内容を配信する事で金銭を得ても『プロ』として扱われるようになったのだ。
金銭を得られるほどのプロゲーマーは必然、有名人になる。
その扱いは芸能人に近く、プロゲーマーという概念が生まれた頃から数十年後経ち、ようやく新たな憧れの職業として社会に浸透したのだった。
つまり伝手も技術も無い素人が有名になれる最短の手段のひとつになったって事だ。
時計の示す針が午後6時を指した。
世界中のゲーム会社が合同開発した超大型タイトル『テラドリーマーズ』のサービス開始時刻だ。
「いざ鎌倉ってな」
期待と緊張を解すために冗談を呟きつつ、俺はベッドに寝転びゲームのスタートボタンを押した。
これが始まり。たくさんの人に自分の事を知ってもらうというささやかな欲望。その火種を散らせた最初の一手だ。
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後書きには小話と裏設定を書いていきます
『テラドリーマーズ』
各国の様々な企業が共同開発を行ったが、開発の依頼を出したのは各国政府。
電脳空間に適応した人材や特異な才能を持つ人材を欲しているとか欲していないとか。
優しい世界なので悪いことには使われないと思います。
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