#12 入港と改装
エウランド皇国ロンメラ港に入港したアディス級潜水艦はそこで改装を行う事にした、改装内容は全長462・6メートルを463・7メートルに延長して全幅128・8メートルを129・9メートルに増やす。それにより基準排水量が238000トンから213800トンに増加する事で公試排水量も240000トンから224000トンに改装するという物だ。使用する機関炉も数を増やして魔導機関炉を4基から6基に増築すると同時に補助魔術式機関も8基から12基に変更すると速度が洋上時は20・5ノットと潜航時の27・6ノットが跳ね上がり、洋上時には23・7ノットを記録して更に潜航時も25・9ノットという快速を記録した。
そして、変更点はそれだけでは無い。
兵装も一新した事により自慢である40口径62・6センチ連装主砲塔3基6門の口径を2・8程大きくし砲身を2・4センチ長くし連装を3連装に増やした結果、42・8口径65センチ3連装主砲塔3基9門というもうこの世界に存在するどんな装甲でも弾けられない“化物火力”になった。
主砲塔だけではなく、搭載魚雷数も増やし防御銃座として備えていた
――よって、アディス級潜水艦からアディス級潜水戦艦に艦種が変わったのである。
それにより、乗員表記も変更されて今までは艦長と副艦長、魚雷発射を担当する水雷長、ボイラーやタービンの管理を担当する機関長、海中を耳で捜索する
ここからは内装の変化だ。
21室もある居住区画を撤廃して、新しく創設した
○○〇
当初、1年で終わると見積もっていた改装工事が思うように進まずに3年が経過してしまった。
これによって、ナームス傭兵国に無条件降伏する形でエウランド皇国が敗戦した。エウランド皇はナームス傭兵国のネヴァダやペンシルベニアになす術が無かったのだろう。おまけに、噂ではエウランド皇国内に
「・・・なんとも、言えないな」
「そうだろぅ?アンちゃん、俺もこの国が負けた時には――」
「ああ、いや・・・そう意味では無いですよ?“救世主”がいれば」
「あ、ああ・・・。あいつらが居たら、負けていなかったのかもなぁ。――おーい、お替りだ!」
バーでカウンターに座って麦茶のような色をした水をチビチビ飲んで敗戦を伝える号外を呼んでいる男の
その時、チビチビ飲んでいた男は号外を折りたたみバーテンダーに「この号外、持って帰っても良いかな?」と聞きに行き、静かにうなずいたバーテンダーに「ありがと、これはチップだから。受け取って」とまだ少し残っているコップの中に何かを落して帰って行った。
帰り際に「待って!」と呼び止められたので振り向くように「ん?」と聞くと、バーテンダーが先程飲んでいたコップから1枚の金貨を取り出して「貴方はもしかして・・・」と聞いて来たので俺は「今日が最悪なら、明日は最高の日になるはずだろう」と言ってフードを被り賑わう繁華街へ姿を隠していった。
ナームス傭兵国領旧エウランド皇国ロンメラ港にやって来たフードを被った男は光学迷彩機能で隠れているアディス級潜水戦艦に乗船して中に入るとフードを脱ぎ捨てて発令所にある艦長席に腰を掛けた。
「お帰りなさい、兄様」
「ただいま、レイ。早速だが、ナームス傭兵国に負けたエウランド皇国の現状は最悪しか言えないものだな」
「そうですね・・・。おまけに郵便物は全て、
「ああ。・・・あ、レイ」
「はい?」
「
「了解です」
この男の名はノヴェラス・ディルス、アディス級潜水戦艦の艦長である。そして、レイと呼ばれた女は
○○〇
エウランド皇国と共にエルドリア海を挟むように存在しているのがナームス傭兵国であり、ニホンジンと呼ばれる異世界からの勇者を召喚した国である。召喚された勇者の名は
「やっぱり、アメリカ軍艦は最高だよぉ!何といっても、ネヴァダ級やペンシルベニア級なんかはあのパールハーバーも耐えしのいだ
「まぁまぁ、エルドリア海の“鉄鯨”という決めつけは」
「――そうだよなぁ・・・、噂通り“鉄鯨”だったら俺の手で沈めてやる‼」
ナームス傭兵国の国都ナードでは、旭と旭によって召喚された第三帝国のエルネス・ドゥワッセムが露店巡りをしている頃。ナームス傭兵国沖を哨戒中だった5インチ両用砲塔を装備したBB-36のネヴァダとBB-38のペンシルベニアは、雷撃攻撃を受けていた。
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