酔客二人。
八木☆健太郎
情景1 あの「チンチン」を考える。
「ねぇ、先輩・・・。」
「ぁん?」
「変な話、してイイっすか?」
「変な話ぃ?なんだ藪からスティックに」
「ぇ、あ?・・・スティック?」
「あ、あぁ『藪から棒』な。」
「あぁ・・・あ、アレっすか?『ルー言葉』ってヤツっすか?」
「あぁ?それを言うなら『ルー語』な。」
「え?あ、あぁそうでしたっけ。」
「で、なんだ?変な話って?」
「あぁ、あの・・・大阪の方の人って熱々のモノを 『チンチン』って言うじゃないっすか?」
「あぁ、よく言ってるなぁ『チンチンの・・・』って。」
「えぇ。そこんとこいくと・・・あの、加藤茶の『うんこチンチン』ってギャグ・・・。」
「なんだお前、人が飯食ってる時に『うんこ』の話かっ?」
「ま、まぁイイじゃないっすか。この寒空の屋台に二人だけなんすから。」
「あぁ?ま、まぁ構わねぇけど・・・で、カトちゃんの『うんこチンチン』がどうした?」
「あ、あぁ・・・この『チンチン』って、どっちなんすかねぇ?」
「んぁ?どっち・・・って、そりゃ『おチンチン』の『チンチン』だろぉ。」
「うぅん、ま、まぁそうでしょうけど・・・『熱々の』って可能性、無いっすかねぇ?」
「『熱々の』?」
「えぇ・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・ぃやっ、無いだろ。」
「無いっすかねぇ?だ、だって『チンチン』っすよぉ!?『チンチンのうんこ』って面白いじゃないっすかっ。」
「はぁっ?『熱々のうんこ』が面白いかぁ?」
「面白くないっすか?」
「じゃぁ、なにか?『私は熱々のうんこが出せます』ってか?」
「え、えぇ。」
「ん~・・・むしろ引くわぁ。」
「そう・・・っすかねぇ。」
「でも先輩、もしっすっよ。もし『チンチンのうんこ』が実際に出てきたらどうします?」
「なんだ?まだうんこの話すんのか?」
「ま、まぁイイじゃないすかもう少し。」
「んぁ、いいけど・・・まぁ、そりゃ医者に行くだろなぁ。」
「医者、ですか?」
「あぁ、そんな事態になったら医者に診てもらった方が良いだろ?」
「医者で・・・イイんすかね?」
「はぁっ?」
「えぇ。そこいらの医者よりもっと大きいとこ・・・っつうか、もっと上のヤツの方がイイじゃないすかね?」
「上のヤツ・・・?」
「だから、ほらぁ『なんとか研究所』みたいなとことか。ねぇ、特殊能力を持った人が集まるようなとことか・・・。」
「特殊能力?」
「え、えぇ。『空飛べます』とか、『マッハで走れます』とか、『めっちゃ力持ちです』とか・・・。」
「アレか、『アベンジャーズ』みたいなもんか?」
「えぇえぇ、そういうとこの方がイイんじゃないすかねぇ?」
「あぁ・・・でも、何の役に立つんだ?うんこが熱いだけだろ?」
「で、でも『チンチン』なんっすよっ?なんかの役には立つでしょう?」
「じゃぁなにか?『熱々のうんこが人類を救う』ってか?」
「えぇ・・・。」
「いや~・・・無いだろぉ。」
「無い・・・っすかねぇ~。」
「あぁ、むしろ迷惑じゃないか?」
「そうっすかねぇ・・・。」
「あぁ。さぁて・・・んじゃ、あと一本呑んで帰るぞ~。」
「はぁ~い。」
「大将、熱燗おかわりね~。」
「あ、『チンチン』でっ。」
はいよ~。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます