10話

「お前、誰だ?」

体の形は同じだ。同じ種族か?俺に呼びかけたサメの体は、真っ黒だった。


「俺は、お前だよ。もう1人の俺。」

ベイビーコービットシャークがこちらを見つめ殺気を放つ。


ピクッ


殺気に当てられたか俺は、体が動きにくくなった。

「違う。俺はそんなスキル持っていない。」


「けっ、」

ベイビーコービットシャークが、俺に高速で近づき噛みつこうとする。

俺は、ギリギリで噛み付くを交わすが、ベイビーコービットシャークが体を回転させ、尾ビレで俺の吹っ飛ばした。


「なぁ、もう1人の俺。スキルを使わないと攻撃できねぇーと思ってないか?俺には、わからねぇーなこんな立派な体があってスキルなんかに怖がるお前がよー。」

ベイビーコービットシャークが自身の鱗をもぎ取り鱗を尾ビレではたく。俺の体に鱗が突き刺さる。


ぐはっ。


「スキルがなくても攻撃は出来る。サメに睨まれりゃ、体は動かしにくくなるし。鱗だって、尾ビレだってスキルがなくても武器になる。スキルは攻撃力の上昇または、自身の体でできない事を出来る様にしてくれる。それだけだ。」

もう1人の俺は意気揚々に語る。


(すげぇバトルセンスだ。俺は自分の体を甘く見ていたみたいだ。)


「サメが鳥にやられてどうする。サメが捕食者だ。」

また、もう1人の俺が突っ込んでくる。噛みつかれると思い回避行動を取るが、もう1人の俺の体から強い光が現れた。目の前が真っ白になる。腹部に激痛が走る。腹部を確認すると2回噛まれたあとがある。周りを見渡しても、もう1人の俺はいない。


「上だよ、バーカ」


ヘブッ

頭に尾ビレが叩きつけられる。


「スキルってのは、こうやって使うんだよ。近づいてフラッシュ。相手が怯んだ所に噛み付く+高速パクパク、跳ねるで相手の視界から離れる。全部使い方次第で無能にでも有能にでもなる。

おっさん、もういいぜ」

もう1人の俺が後ろを振り向く。


「お主がどうしても会いたいって言うから合わせたのに、間違えて殺してしまうんじゃないかってヒヤヒヤしだぞ。」

もう1人の俺の隣に怪しい男が現れる。


「ケッ。殺すわけねぇーだろ。こいつが死んだら俺も死んじゃうんだからさ。こいつが弱いから、指導してやっただけさ。」

不満そうにもう1人の俺が答える。


怪しい男がこちらを向く。

「お主に、もう一度聞くぞ。

なにゆえ、力を求める?」


「海の支配者になるため。」


「なぜ海の支配者になりたい?」


「生きた証を残すため」


怪しい男は、フードを外し両手をあげる。怪しい男の素顔は美少年だった。美少年の両手に光が集まる。


「魔眼をお前に授ける。魔眼の名は"紙の魔眼"Sランクじゃな!紙は水に弱いから苦労すると思うが使いこなせれば、最強に近づく。お主はこれを受け取る覚悟があるか?」


(当たり前だ。そのためにここまでやってきた。)


「有ります。」


腹部の光るオーブが激しく光り、その光が右目に集まる。腹部の光のオーブが消え、右目の色が変わった。


「ステータスを確認してみな」


「ステータスオープン」


____________________

[種族]ベイビーコービットシャーク(亜種)

[レベル] 12/30

[名前]サメ三郎  new


HP 50/50

MP 20/25

SP 32


攻撃力: 50

守備力: 41

魔法力: 17

魔守力: 36

素早さ: 84

運:50


スキル

[危機感知]LV2[鑑定]LV2 [高速パクパク]LV1

[噛み付く]LV1 [紙魔法]LV1(紙製製) new


ユニークスキル

[受け継ぎ]LV1

[経験値2倍]

[紙の魔眼]new


種族スキル

[光魔法(弱小)]LV1 (フラッシュ) [鮫肌]LV1

[跳ねる]LV1


称号

[授かりし者][無慈悲][まぁいい事あるさ][じゃっこ]



[紙魔法]LV1(紙製製)


紙を一枚生成できる。大きさによってMP消費が変わる。次のレベルまで[SP消費:5]


[紙の魔眼]

紙を自由自在に操ることができる。

体を紙にする。魔眼同士の会話が可能。

知らない言語も理解できるようになる。



____________________


(なるほど、魔眼には言語理解の能力もついてるのか。そりゃぁそうか。会話が可能になっても言語が分からなければ会話できないからな)


雪音が俺と話せた理由は、この能力も関係してるのかな


魔眼がない相手と喋るには、魔眼と思念伝達のスキルが必要。

思念伝達は、早めに入手しておきたい。



もう1人の俺が話しかける

「ほら、早く帰りな。ここは精神の空間。鳥が起きないお前をずっと看病してるぞ。1週間眠りっぱなしだったからな。早く起きて安心させてやれ。」


(ずっと待っててくれたんだ。)

「わかった。いろいろ教えてくれてありがとう。」


「けっ、さっさっと帰れ」

「お疲れ様、魔眼獲得おめでとう。


体に光りだす。


「ばいばーーい。またね。」俺は手を振る。


体が光に包まれ消える。


目を開けると眩しい太陽の光が刺していた。

起きたのを確認した雪音が笑顔で言った。


「おかえり。」


俺も今できる最高の笑顔で言う。


「ただいま。」



第一章〜完〜




〜〜〜〜〜〜〜〜〜

作者レポート


誤字脱字、タイトルもろもろ

後々変えます。

高評だったら、続きを書きます。




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