特殊スキルの最強勇者
神田々 氷月
第1話 プロローグ
「ねぇ今日の課題やった?」
「昨日一万も課金したのに爆死してさぁ~」
「お前そろそろ英検の勉強しないとヤバイぞ!」
俺は周りにいるクラスメイトたちの会話をBGMに、お気に入りのライトノベルを読んでいた。
かつては孤独でいることに対して不安を覚えたこともあった気がするが、今となっては一人でいることに特別感すら感じている。
それもすべては、このライトノベルのお陰だ。
俺はこの本に夢を教えられた。
「転生」。
ライトノベルを読まない人間でも、耳にしたことがあるだろう。
実現しないと分かっていても、どうしても夢に見てしまう。
(あぁ、俺もチートスキルが欲しかったなぁ。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
現実とは、思い通りにならないものだ。
(周りはあんなにも幸せそうだというのに、俺ときたら、、、)
卑屈な思考が頭を支配する。
俺はよくこうなってしまうことが多いのだが、みなこうなるものなのだろうか
電車でスマホを覗く時のように、自然とライトノベルへ手が伸びる。
「転生」
「チート」
「ハーレム」
「転生」
「仲間」
「転生」
「友人」
「転生」
「転生」
「転生」
ありえないことにばかり囚われる。
理想に対してあまりに現実的な目で見る自分がいる。
神に願いながら、俺は夢へとおちていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます