チマツリ成人式〜時効なんて、あるわけないでしょ?〜

猫屋敷 鏡風

序章〜消えない傷〜

今日は成人式。


母は私の晴れ着姿を見てとても嬉しそうに、綺麗だねと言ってくれた。

しかし、その後すぐに、仏壇の妹の写真を見て悲しそうな顔になった。


「…お母さん…大丈夫だよ!きっとハナカも天国で振袖着てお父さんにお祝いしてもらってるよ!」


三井 花那香(ミツイ ハナカ)は、私、三井 華菜未(ミツイ ハナミ)の双子の妹だ。


5年前、いじめを苦に自殺した。


学校はいじめを隠蔽し、いじめていた奴らは今ものうのうと生きている。


でも、そいつらの人生も今日で終わり。


私は今から成人式に参加して、あいつらを殺すから。


「…あの時は…いじめられてるなんて気づけなくて…本当にごめんね…」


お母さんが目に涙を浮かべて私に言う。

お母さんは何も悪くないのに…

母子家庭で忙しくても私たち双子をちゃんと育ててくれたのに…


ハナカを殺して、お母さんを傷つけたゴミどもを、私は絶対に許さない。

私はお母さんに、「お母さんのせいじゃない」と何度も言った。

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