第58話 噂をすれば声が聞こえた(コチドリほか)

 もうすっかり夏。暑くなりましたね。


 暑いのは苦手なので、夏になるとバードウォッチングも億劫になってしまいます。そろそろ今季は見納めかなと思いながら、出掛けることにしました。


 ガチャ。


「裏口の目の前にモグラが死んでいる……」


 などと、ハプニングが起きつつ、いつもの田んぼ道コースへやってきました。


 ギョギョシ、ギョギョシ。


 田んぼの中に、田植えのされていない休耕田があります。アシ原となっているその中から、鳴き声が聞こえてきました。


 この声がすると、夏が来たなと感じますね。オオヨシキリです。


「どこにいるんだろう。暑い。近くから聞こえるんだけどな。暑い。近いんだけどなー。暑いー」


 などと思いながら探していると、ようやく木の枝の先で鳴いているのを発見。暑いので電柱の影に入りながら、その姿を撮ることができました。


 それにしても、頑張って鳴いています。こんなに暑いのに、ご苦労様です。


 さて、それからまた、しばらく田んぼ道を歩いていきます。すると、なにやら聞き慣れない声が……。


 ピョピョピョ、ピョピョピョ。


 セキレイたちとともに、田んぼからなにかが飛び立って、前方の道に降り立ちました。脚が長くて、どうやらチドリっぽいです。カメラを向けて、何枚か写真を撮ります。


 しばらくすると、その鳥は飛び立って、行ってしまいました。


 カメラの画面で、撮った写真を確認してみます。背中は灰色で、お腹は白。黒い首輪を掛けたような模様があって、目の周りは黄色のアイリングがあります。

 アイリング効果で、目が大きく見えて可愛らしい。


 これは……何だ?


 正直、シギ・チドリ系、私はあんまり見慣れていないので、まったくわかりません。ケリしかわからない……。


 というわけで、家に帰ってさっそく調べてみました。


 どうやらこの鳥は、コチドリだそうです。九州以北では夏鳥としてやってくるそうですね。日本のチドリ類の中では一番小さいのだとか。


 コチドリ。どこかで聞いたことがあるなと思ったら、そうだ、なるるん様の小説『バード・ガール~鳥撮り少女』で出てきたんだった。


 噂をすればなんとやら? なにはともあれ、新しい鳥を一種見られて、今回も満足のバードウォッチングでした。




《今回見られた鳥》

・スズメ

・オオヨシキリ

・コチドリ

・カルガモ

・アオサギ

・ホオジロ

・ヒヨドリ

・イソヒヨドリ


《今回撮れた写真》

・コチドリとオオヨシキリ

https://kakuyomu.jp/users/miyakusa/news/16817330659376464213

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