第34話 ツバメだけどツバメじゃない!?(コシアカツバメ)
初夏の陽気が暑いほどの今日この頃。
外へ出ると、必ずと言っていいほどツバメの姿を目にするようになった。
田んぼの上空を飛び回りながら、虫を捕っているのだろう。きっとどこかの民家で巣を作って、子育てに勤しんでいるのだろうか。
ちなみに我が家には、良い感じの軒や開けっ放しの小屋があるのだが、ツバメが巣をかけたことは一度もない。というか、家の周りでツバメを見たことがあまりない。田んぼから少し遠いからか、近くにヘビがいるからか。いつか子育ての一部始終を観察したいなと思っているが、残念である。
「ツバメ、かわいいよ、ツバメ」
そんなことを思いながら、バードウォッチングをしてツバメを愛でていたある日、友人からメッセージが届いた。
「今日変わったツバメ?撮ったよ」
変わったツバメ?
なんだろうと思いつつ、いっしょに送られてきた写真を見てみる。
そこには、ツバメだがツバメじゃない鳥が映っていた!
まず目を引いたのはお腹。ツバメのお腹は真っ白のはずだが、このツバメは縦に細いまだら模様が入っている。顔もツバメと違う。尾も長い。そして二枚目の写真の後ろに映っている巣も、細長い筒状で、お椀型をしたツバメの巣と違う。
「これは……!? コシアカツバメかもしれない!」
私は興奮しながら返信を送った。
「腰赤燕?」
「ツバメにも何種類かいるのよ」
実は夏に南から渡ってくるツバメは、ツバメのほかにも何種類かいる。ここでちょっと紹介したいと思う。
まず、友人が写真を送ってくれたコシアカツバメ。
写真では見えないが、名前の通り、腰の辺りが赤いのが特徴だ。巣も特徴的で、徳利を縦に割って付けたような形を作る。集団で営巣することもあるそうだ。
もう一種、夏に渡ってくるツバメの仲間がイワツバメ。
こちらは、白黒のモノトーンカラー。腰部分が白いのが特徴だ。集団で営巣する習性があり、本来は崖地に巣を作るらしいが、最近は橋の下や建物などにも作ることがあるという。
ほかにも、夏の北海道で見られ、崖に穴を掘って巣を作るショウドウツバメ。南西諸島に留鳥として生息しているリュウキュウツバメなどがいる。
ちなみにこうやって解説をしている私だが、今までタダツバメ(鳥好きの間ではツバメのことを他のツバメと区別してタダツバメと呼ぶらしい)以外のツバメを見たことがない。友人が見せてくれたコシアカツバメも初めて見るツバメだった。
レア度がどのくらいかは定かではないが、この地域でもタダツバメ以外のツバメがいることがわかった。これからは空を飛んでいるツバメをよく見て、別の種類が混じっていないか探してみようと思う。
……と、思って観察してみたが、高速で飛び回るツバメを識別するなんて、私の動体視力では無理な話だったよ。
追伸
友人が撮ったコシアカツバメがこちら。(掲載許可は取っています。)
https://twitter.com/miyakusa_h/status/1528712946288709632
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