第3話 野鳥公園へ行こう。(カワセミ)

 野鳥公園、というものが近所にある。


 拙作『バードボーイズウォッチング~鳥男子たちの恩返し~』にもたびたび登場する施設なのだが、実は本当にある。


 海沿いにある施設で、木造二階建ての観察小屋とその隣にビオトープらしきため池や遊歩道が造られている。


 できた頃は立派だったはずなのだが、正直、今はすたれた雰囲気が否めない田舎の小さな施設だ。


 それでも、野鳥が観察できるスポットならば、野鳥好きとしては行かないわけにはいかないだろう。天気の良い日に、私は自転車を飛ばして出かけて行った。


 観察小屋に着いたら、二階へ行く。二階には四方に窓があって、さっそく私は海側の窓へ行き、バードウォッチングを始めた。


 この時期は、冬に北のほうからやってくる渡り鳥のカモなどが観察できる。海の上にはたくさんのカモたちが浮いていた。


 オナガガモやコガモやオオバン。ちょっとうれしかったのが、ハジロカイツブリが見れたこと。カモと似ているがカイツブリという種類で、翼が黒くお腹が白くて目が赤い。白黒衣装に赤目で、ちょっぴりダークな感じの鳥である。それらを双眼鏡で見たり、カメラで撮ったりして楽しんだ。


 さて、そろそろ帰るかな。


 そう思って、双眼鏡やカメラをリュックに入れていた時だった。


 海の手前側には波けし岩が並んでいる。視界の端から、小さな鳥が飛んできて、その岩の端にとまった。


 あれは……!? 私はリュックにしまったカメラを再び取り出して、岩の上にとまった鳥にピントを合わせた。


 細長いくちばしに、オレンジ色のお腹、青い翼。


 間違いない。


「カワセミだぁぁぁああああああああーーーー!!」

(※既視感。実際には叫んでいません。)


 まさかこんなところで再びカワセミに会えるとは。カワセミといえば川の鳥だと思っていたが、海にもやってくるのか。そんなことを思いながら、カモを観察していた時とは明らかに違うテンションで、シャッターを切りまくる。


 カワセミは岩の上にとまっていて、しばらくすると飛び立っていってしまった。


 こうして、バードウォッチングで二回連続カワセミに出会った私は、ほくほくしながら野鳥公園を後にしたのだった。


 その夜、この興奮をだれかに伝えたいと、私は知人Aに撮ったカワセミの画像を送った。


「いい感じの写真が撮れたので、送ります」


 返信がこちら。


「海と岩の対比がいい感じ」


 ……。


 鳥についてのコメントはっ!?



追伸

この時に撮ったカワセミがこちら。海と岩の対比がいい感じです。

https://twitter.com/miyakusa_h/status/1471085410562748424

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