第19話 遂に義弟が攻めてきた
港町【リカオン】の件では、ガー・イコクに抗議の文書を送ったけれど、さてどんな返事が来るかな? 少し楽しみにしてたりします。
対処している間に既存の冒険者ギルド本部の方達から謁見の許可申請がきてたから、明日の午前中に会う事にしたよ。流石に今日はもう、ゆっくりしたいしね。
そしたらバイトが早くも戻ってきたんだ。自己最速記録を更新したそうだよ。時速三百八十キロをマークしたって喜んでたよ。コレもリッター様のお陰ですなんて言ってたけど、僕は関係ないよね?
全てバイトの力だよと言ったんだけど、バイトは納得しなかったよ。
そしてその夜はカーナと同じ部屋で過ごす事になったよ。何でも最近の僕は忙し過ぎて、カーナがご立腹らしくてね。それならば、ヤエにも同じ部屋に居てもらい、カーナと夜を一緒にすごそうって決めたんだ。カーナは嬉しそうに僕の部屋に来てくれたよ。
但し僕はカーナが来るまでにヤエに洗脳されかかっていたから、頭の中の妄想を打ち消すのに大変な
「リッター様、よろしいでしょうか。女子のイヤよイヤよは、良いよ良いよです」
とか、
「カーナ様の双丘は揉めば更に成長いたします事をヤエが断言致します」
とか、
「幸いにもこのお部屋にはお風呂が付属してありますから、そのヤ、ヤエも一緒ならばカーナ様ともご一緒にお風呂を堪能出来ます。もしもリッター様が股間に熱い滾りを感じましたら、ヤ、ヤエが責任を持って処理致しますので、どうかご決断を!!」
何て言ってきてたんだよ。思春期の男の子相手に何て事を言うんだろうか。僕は膨らんだ妄想を打ち消す為にスキルまで使いそうになってしまったよ。
まあ、カーナからは愚痴を聞いて、その後に真っ先に領民になってくれた子供達の様子を教えて貰ったりしてカーナが満足するまで話を聞いたんだ。そして、二人で並べたベッドに仲良く就寝したよ。途中でヤエが目で今ですとか合図を出してきたけれども、ちゃんと無視をしたんだよ。
うん、僕ってかなり偉いと自分で自分を褒めたよ。
そして翌朝になってニコニコ笑顔のカーナに起こして貰って、二人で部屋で朝食を食べてから別れたんだ。これからは毎夜、カーナが僕の部屋で夜を過ごす事になったから、ご機嫌なカーナが朝から見られて良かったよ。(ヤエも居るけれどね)
ギルド本部の人達との謁見は楽しかったよ。終始和やかに話合いが行われたけれど、総長のバトラースさんがウチのギルドのシステム(級のアルファベット化)を真似してもよろしいでしょうか? って聞いてきたから、良いよと返事したんだ。
統一された方が冒険者達も分かりやすいと思ったからね。但し、その為の人材を派遣して欲しいという申し出は断ったよ。自分の所を改革するなら自分達で行いなさいと釘をさしておいたよ。
そして、午後になって聞きたくなかった報告がもたらされたんだ。
そう、
どうやら遂に父上を廃して自身が国王になったようだよ。僕が国を立ち上げて国王になった後らしいから、僕に対する対抗心からかな。それとも
そして、使者として僕の元にやって来たのはもう一人の
ん? 何でガンはこの国まで来れたんだろうか?
僕の疑問に答えたのは目の前で跪くガン自身だったよ。
「
そう言って更に深く頭を下げたガン。僕は側に控えているヤエとカオリを見た。そしたら、二人がともにガンが偽りを言ってないと保証したから、ガンの亡命を受け入れる事にしたんだ。
「ガン、分かったよ。ガンの亡命を受け入れよう。ガンとはボーラギでは殆ど話をする機会を与えられなかったけれど、コレからよろしく頼むね」
「は、はい!
ガンは僕の言葉にホッとした顔をして、大きく息を吐いた。それから、ガンにセイローの軍隊の規模を確認して、彼らが森から先に入れない事。森に火をつけようとして、逆に炎が自分達に向かってきて、何人かの死傷者が出た事を教えて貰った。
そして、立場が上の者から一人一人が街道に突っ込んで行き、全てが玉砕した後にガンが挑戦してスンナリ通れた為に、セイローから使者として僕の元に行けと命令された事などを話してくれた。
「
うーん、僕にはセイローは自身の意志がありまくりに見えるけれどもなぁ。まあ、それは良いとしてそんな所に軍隊が居座っていたら、ボーラギからの商人達も勿論だけど、他国の商人達も入れなくなるから、僕は早急に退いてもらう事にしたんだ。
そして、バイト、ヤエ、カオリを連れてセイローの軍が居る入口の森まで出向く事にしたよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます