タイトルを入力してください
ひなみ
第1話
+++
「君だったのか」
「ごめんなさい、貴方にだけは知られたくなかった。これで私はもう……」
泣き顔を浮かべ、真っ白な翼の生えた彼女の姿が薄くなっていく。流れる涙はまるでダイヤモンドのように、キラキラと眩しく輝いている。
「そんな!」
「なぜここに足を踏み入れてしまったのですか? 絶対に来ないでと言ったのに」
「どうしても君のことが忘れられなかったんだ。だから――」
「お願いです、それ以上は言わないで。……さようなら、私の愛したひと」
こうして彼女は彼の前から姿を消した。
彼女の正体は天使だったのだ。
何も知らなければこのままでいられたかもしれないのに。自分が会いに行ってしまったばっかりに、と彼は今更になって後悔した。
「それでも。それでも君は、綺麗だ」
――チリン
彼女がいつもつけていた髪飾りの鈴の音を何度も何度も、
+++
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます