第14話
「お前はどうやって黒雲に入ったんだ?」
「俺は昔絶望に暮れて自殺を考えていたんだ。そんな時に主様は俺の面倒を見てくれた。どうしたら強くなれるのか、この先騎士を続けてもいいのか?俺の悩みを全て聞いてくれた。主様は俺を救ってくれたのだ。確かに悪意なき人まで殺してしまったのは謝る。だけど主様にも悪意はない。あのお方は俺たちが生きやすい新しい世界を作ろうとしているだけ。俺は主様の頑張りに感動した。俺も手伝いたい、そう思っただけだ。」
「こんなことを言うのは申し訳ないが、お前はそいつに心の弱さを利用されているだけだ。一度十二星剣と戦ったとき、やつは死にかけの十二星剣を助けなかった。お前は使い捨ての駒今なら戻れる。もう一度俺たちと整光騎士を続けないか?」
「ヒルバル、君は駒なんかではない。私の家族だ。」
何処からともなく声がする。
「主様!お越しになられたのですか!とても光栄です。」
こいつが主。姿は見えないが強大なオーラを放っている。不思議と禍々しいオーラではない。何か引き込まれそうな感じだ。
「申し訳ございません、主様。この人の話を聞いて思ったのですが、やはり無差別に人を殺すのは良くない。みんなで新しい僕たちの世界を作るというのはどうですか?みんなそれを望んでいます。」
「人を殺した口でよくそんなことがいえたものだ。第一世界中の人が一致団結して新しい世界を作るなど無謀。何かを成し遂げるには犠牲が必要なんだよね。残念ながら君にはがっかりだ。仲良くなれると思ったのに。今までありがとう。」
またも目の前で人が死んだ。主という男に騙され、人が死んでいく。この前の牛男も無差別には人を殺さなかった。あいつに騙されたのが終わりの始まりだ。人の弱い心につけこむなんて本当に許せない。
「君も優しいんだね。でも誤解しないで、主様はいい人だ。俺が裏切ったから殺された。それだけだ。俺の剣を君に持っていて欲しい。君は平和に生きてくれよ。」
「くそぉぉぉぉぉ。聞いているか。俺はお前を必ずこの手で殺す。お前の悪事をこの手で償わせる。絶対に、絶対にだ。」
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