第12話

 ロックスさんが死んだ数時間後俺たちは帰路に着いた。足取りが重い。また俺の目の前で人が死んでしまった。俺は何もすることができなかった。もう目の前で人に死んでほしくない。俺は死しても、人を守る。そう誓った。


「ありがとう、カンナ。あの時俺の意志を汲み取ってくれて。」


 「いいえ、私はやるべきことしただけです。感謝をするなら私があなたにするべきです。それに私自身が勝てたのはロックスさんのお陰です。」


 「そうだな。」


「カンナはこの後どうするのか?」


 「無論、強くなるまでです。死んだロックスさんのためにも強くならなければならない。」


 「そうだな、もう目の前で人を死なせない!」



 時は遡り俺たちがバロンを倒しに行く前の話だ。俺は一度ロックスさんに率いられ整光騎士団悪魔族支部に立ち寄った。


「ようロックス、それにカンナちゃんと、今話題のエルピス君だね!」


 「僕が話題に?」


 「何たって非人族初の騎士だからね。それゃ話題になるよ。」


 説明させてもらうと、今しゃべってる赤髪の男がレドル。そしてその隣にいる青髪の男が、ミント。どうやら、ロックスさんの友達らしい。


 「おい、ヒルバルはどこに行った?」 


 「あいつはどうせ自分の部屋に閉じ籠ってるよ。それにあいつがいると調子狂うしなぁ。正直いなくて助かるよ。」


 「それ以上は仲間の悪口を言うではない。彼も彼なりに頑張っているのだ。」 


 「それより、ロックス達任務頑張れよ!特に新人。まぁ、ロックスがいるなら大丈夫だ。こいつは十二星剣よりも強いぞ'`,、('∀`) '`,、」


 俺はこの時悪魔支部があんなことになるとは思わなかった。

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