第20話 遺跡
「あるじ、主よ―――」
と、獄座の声が聞こえてくる。
「起きてください!何時だと思っているんですか!?」
「うーんあと五分—―」
「だめです!」
という声とともに布団を引っぺがされてしまう。
毎朝こんな感じだ。
なんでこんな風になったかというと、暇だからだ。
そう、やることがないのだ。
なぜなら、敵も来ないし、仕事もないからだ。
「主、たまには外に出ては?」
「えー、面倒くさい。だって外に面白いものがあるわけじゃないんだから。」
「それはそうですが...ほら、たまには外に出て体を動かさないと病気になりますよ?」
と、言われ無理やり連れだされてしまう。
「僕は病気にならないんだけどなぁ。」
と思いつつも、たまには外に出るのもいいかと思いそのまま外に出る。
といっても、本当に外には何もなく、あるのは木と魔物くらいだ。
「はぁ、憂鬱だ。」
「そんなこと言ってないで、早く行きますよ。」
はぁ、獄座も最初はこんな真面目じゃなかったんだけどな...
サーー
と、風が俺の頬をかすめる。
そして眩しいくらいの光が目に入る。
「ん...はぁ、いい空気だなぁ。」
「ほら、外に出てよかったでしょ。」
「GUUUAAAA。」
パシュッ
「うん、こいつらがいなければな。」
「それに関しては同感です。」
その後も俺らは何か目的があるわけでもないけど、森を散策した。
「ん?あれは何でしょう?」
先に気づいたのは獄座だった。
そこには遺跡のようなものがあった。
「気になるな。中に入ってみるか。」
「いいですけど、大丈夫ですかね?」
「大丈夫だろ。俺たちそうとう強いし。」
そういって遺跡の中に入っていった。
「薄暗いですね...『照明』...うん、明るくなりましたね。」
と獄座がいって、照明という明かりをつける魔法を使った。
「よし、進むか。」
それから奥に進んでいった。
途中どこからか入ってきたのか、いくつか魔物がいたが、瞬殺していった 。
「特に何もありませんね。」
「そうだなぁ、無駄足だったか?」
と憂鬱な気分になるが、それは獄座の声で無くなる。
「おっ、なんかそれっぽい扉がありますよ。」
と獄座が言い、指をさす。
獄座の指をさした先には、いかにもな重厚な扉があった。
「入ってみるか。」
と言い、扉を押す。
ギーという音がし、扉が開いた。
まず目に入ったのは――――
巨大なドラゴンだった。
「ここが龍王の領域と知っての狼藉か?」
という、重厚な声が聞こえる。
「あっ、知らなかったんで、それでは失礼します。」
こういうのは面倒な予感しかしない。
「待て、素直に帰れると思うなよ?」
と、やはり止められてしまう。
ですよねー
「はぁ、面倒くさいなー。」
「ですね...」
と言いつつ、俺たちは振り向く。
「変形、魔銃 終天、砲!」
と俺は言い、魔銃 終天を構える。
すると終天は大きくなりものすごくでかい銃になった。
「戦闘モードに移行、魔弾装填!」
と獄座も言い、構える。
「どうする?僕らとやる?」
僕は殺気を纏いながら聞く。
「舐めた態度とってすいませんでした!」
とドラゴンは頭を下げてきた。
ふぅ、面倒なことにならなくてよかった。
でも、これからどうしよう?
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