ニート、世界を救う
尊(みこと)
第1話
「おい!
「はい」
「お前いつになったら仕事につくんだ!
「いつか、なるべく早めに、」
俺はそのへんにいるニートだ。一応3年目。
ニートなんて道草。そう思っていた。でも意外とニートって近くにいないもんなんだ。みんな社会に出て立派に。か…
こんな俺はなぜか変なところで運が良い。
ソシャゲのガチャでは欲しいキャラは全員ガチャ開始日に単発で当たる。でも受験はすべて不合格。そんな運だ。
そして毎日浴びる「働きなさい」の言葉。
「姉さんみたいになるって言ったのにな…」
それは15年以上も前の俺が幼かったときのこと。
俺の姉さんは10歳年上でめちゃくちゃ可愛くて、優しい姉さんだった。
「姉さん!何してるの?」
「私ね絵を描いてるの!」
そして姉さんは才能がすごい。
その絵だって区内のランキング第1位。
そして一度俳句を応募したときは全国第1位にもなったほど。そして幼かった俺は純粋ながら心の底から姉さんみたいになりたいと思った。俺はその頃から運の良さ、性格。対して変わっていない。
もちろん姉さんみたいな人はすべてがキラキラに輝いている。まるで夜空に浮かぶ1等星のようだった。
「姉さん!俺、姉さんみたいになる!」
そういったことを今でも鮮明に覚えている。
そして数年後、姉さんは大学受験の勉強を始めた。親は全力で応援する。輝いた背中が書いた文字はどれだけキラキラしているだろう。そう思ったりもした。
「頑張る人の背中は美しいんだ!俺もこうなるんだ!」
そうも思った。
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