朝食は燭台とともに
棚花束
眩しく淡い
こうも静かだとついつい余計なことを思い出してしまう。人間の脳とは厄介なものだ。勝手に人の記憶を漁ってくるのだから。穏やかで、少し寂しげな秋の空気と静けさだけが、私を包み込んでいる。
老人はそっと手に持っていた本にしおりを挟み、本棚に戻した。そしてゆっくりと立ち上がると静かに歩き出した。食卓には錆びた燭台が独り、取り残されていた。
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