44.
誰だろうこの女の子は・・身長も150ぐらいで茶髪ロングを後ろで簡単に束ねて、気弱そうな子は、先輩って事は望奈さんの後輩だよな、なら何故望奈さんは直ぐに返事してあげないんだ?
話しかけられても数秒間、無視するように下を向いたままの望奈さんだった。
―
―
「白浜さん、ごめんなさいね、少し考え事してたの。」
「いえこちらこそ急に話しかけちゃったのがいけないんです、気にしないでください。」
(なるほど、この子の名前は白浜さんというのか、メモメモ...てか考え事って嘘でしょまぁいちいち言わないが。)
「そぉ、悪いわね気を使わせてしまったみたいで、それで用もなくただ話しかけてきたのなら危険よ、この人見境ないから。」
(・・・・え?。俺の事っすか?!)
望奈さんは横目で俺を見ながら言ったので恐らく、いや十中八九、俺の事なのだろうが見境ないとか酷くない?一体全体何のことだよッ!事実無根だ。
「えっ‥まさか緋彩先輩その人に何か弱みでも握られて・・・・。」
「残念ながらその通りなのよ。」
「ええええええ!!!、そんなの」
白浜さんが更に望奈さんに詰め寄り、大変だと言わんばかりに望奈さんの肩に手を起き引っ張ろうとしたり白浜さんが跳ねながら、慌てふためいていた。
「ちょっとッ!ストップ、ストップ!望奈さん酷くないスカ?他人に嘘を吹き込んではいけませんよ」
俺は自分の立場を守る為に話に割って入るのだった。
こうしている間にも白浜さんの横に立ってる男の目つきは、酷いものに変わっていってるし。
「あら、私何か違った事言ったかしら?。」
「言ってますよ、事実無根じゃないですか、人を悪者に仕立て上げるのは止めてください」
「別に良いじゃない、貴方を悪者に仕立て上げるだけで後輩の可愛い姿が見られるんなら。」
「それはそうですね、納得です今回は許しましょう」
今もアワアワ、どうしようかと揺れている白浜さんは段々と、俺と望奈さんの会話を理解してきた所で落ち着き始めたが理解すると今度は
「えええ!!私ってまさかいじられる為に利用されてたんですか。」
「そうよ。」
望奈さんがそうキッパリ答える事により、白浜さんは段々と沈黙していった。
「でも本当に見境ないかもしれないから気をつけてね。」
「はい、先輩がそう仰るのなら気をつけます。」
(あれ~結局なんだか俺が危険人物って認識させてないか望奈さん‥)
「それで、本当にただ話しかけに来たの?。」
「すみません、それについては僕から話しても宜しいでしょうか」
今までずっと白浜さんの斜め後ろで待機していた眼鏡をかけた男が急に話しかけてきた。
(やはり何処かで見た気がする・・・・・・・あッ!白浜さんが後輩とか言っていたのならあれか公園で出会った6人集団の二人か)
俺はずっと気になっていたモヤモヤが解消されたのであった。
「あなたは、白浜さんの仲間で良いのよね、それとも同級生?」
「はい、同級生でもあり、今は白浜さんも入っているパーティーのリーダーをしている九藤くどうと言います」
「
「他のパーティーメンバーとも話さないと決定って訳では無いのですが、私達のパーティーをお二人や五島さんが含まれるチームに入れてくれるように、話しては頂けないでしょうか」
「話す話さないの前にどうしてチームに参加したいの?、言っちゃ悪いけど殆ど決死隊みたいなものよ」
「だからこそです、主力と思われる五島さんや他の自衛官の人達そしてお二人が参加される、そのチームが負ければその時点でこの戦いの負けが決まるようなものです、そんな大事な命運を人任せには出来ません‥それに私達のパーティーは全員がLv5に到達しており足手纏になるつもりは毛頭ないです」
(全員がLv5とは中々やるじゃないか、だからと言って俺達には入れて上げる権限があるわけでは無い、それに自衛隊の人と違っていざって時に一般人の方が逃げ出す可能性が高過ぎて、進んで入れたい訳じゃないんだよな)
望奈さんも別に私が決めれる事じゃないからどうしよう、って感じで俺を見てきて目が合ったのだった。
「決死隊とは酷い言い方じゃないかな緋彩さん、せめて精鋭部隊と言ってほしいよ」
「あれ、五島さんどうして此処に?」
「千田さん、どうしてって君等と地理の把握と戦いの打ち合わせをしに来たのに、まさかもう忘れてたのかい?」
「いえいえ、言われた事は覚えてましたけど、五島さんが最初っから一緒に行動するとは思ってなかっただけです、それで話は聞いていたと思うんですが五島さんとしてはどう思います?」
「僕の立場としては市民を確かに半ば決死隊である、このチーム入りを進めるのは気が引けるが勝つ可能性を上げるのなら入ってくれも問題は無いのだが、その前に君等に一つ聞きたい」
(自分で決死隊って言ってるんじゃん。どっちだよ)
「「なんでしょう」か」
白浜さんと九藤さんの二人が同時に返事をした。
「君等は、いや君等のパーティーは必要と判断されれば死ぬのが分かっていても囮として敵に立ち向かえるかい?、別に市民を死に追いやりたい訳じゃ無いがこの戦いでは恐らくそういった捨て駒が必要な場面もあるだろう、そんな時この精鋭部隊のメンバーがそれを拒めばそれこそ負けに繋がってしまう」
五島さんも人が良いようで意地悪だ。
恐らくそんな言い方をされれば、今すぐには参加するとは言えないだろう。
「てか、それ強制参加の俺達には適用されませんよね?」
「それはまぁ時と場合かな、それに二人ならその心配は必要無いと僕は思っているよ」
(その謎の信頼は当てが外れてるから止めてもらいたいものだ、俺はいざとなれば命の優先順位がハッキリしている人間だ、他人の為に死ぬ気は毛頭ない)
「流石に命を掛ける話を私と白浜の二人だけで決める事は出来ないので、他のメンバーとも話し合ってから改めて返答しても宜しいでしょうか」
「構わないよ、話が纏まった時にまた言いに来たまえ」
「有難うございます、それでは自分達はこれで失礼します」
「えぇぇ、もう行っちゃうの・・って待って、緋彩先輩後でまたッ必ずお話してくださいね、失礼します。」
九藤さんが先に出て行こうと会議室の入り口に向かった為、その後を白浜さんが慌てて追いかけて行ったのだった。
「五島さんが意地の悪い言い方するから、去るように行っちゃったじゃないですか。」
まさかの俺が思っていた事を望奈さんが先に口にした。
「ははっ..手厳しいな、僕は死んでほしくないし、半端な気持ちで来られると迷惑になるからハッキリと言ってあげたまでの話さ」
「五島さん、望奈さんも分かってて言ってるんですよ、後輩が行っちゃったから少し拗ねてるんです」
「なるほどそれは申し訳ない事をしたね」
「二人で何決めつけてるんですか、誰も拗ねてません。」
「・・・」
「何よっ。」
「別にぃ~まぁ拗ねてないと言うのなら、回復を待たなくても良さそうですね、さっさと行きましょうか時間はあるようでありませんから」
「そうね行きましょうか。」
「案内は任せてくれ、何処か最初に立ち寄りたい所はあるかい?」
「なら武器庫にお願いします」
「千田さん、悪いけど銃は渡せないよ」
「いえ、銃じゃなくてコンバットナイフを貰いたいのですが良いですか?」
「ナイフかぁ、ナイフならまぁギリぎりのギリで大丈夫だろう・・」
「それ本当に大丈夫何ですか?、言った自分で言うのも何ですが物凄く不安何ですが」
「なぁ~に大丈夫さッ、これでも私は前線の最高責任者なんだし」
「まぁ、貰えるって言うならもらっときましょ私も幾つか貰いたいものがあるわ、銃じゃないなら五島さんはくれそうだし。」
「そうですね、この際貰える物は全てもらっちゃいましょうか」
「ちょっと二人共、僕そんな何でも上げるとは言ってないだけど・・・」
「ささ行きましょうか」
「五島さんが付いてこないなら勝手に行って、五島さんの許可があるって事で銃ももらっちゃいますよ?」
五島さんを置いていくように俺と望奈さんは悪ノリで進み始めるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます