35.ドクロン
「望奈さん、これ以上西側の探索する意味ってあると思います?」
「それってコレ、が居たからこれ以上奥に進んで探索する意味はないかもって話しよね?」
「はい、当初の目的では全方位の大まかな情報収集とかが目的でしたし、西側の最初の脅威であっただろうドクロンは既に無力かしたようなものですしね」
「ドクロンってこれの事?。」
「はい、ドクロよりドクロンの方が良くないですか?」
俺は笑い気味でそう伝えた。
「良いわね、今日からあんたの名前はドクロンよっ。」
「アの~オレに拒否ケンは――」
「「ない」」
俺と望奈さんは間髪入れずにそう同時に答え拒否権が無い事を告げる。
「ハイ,,」
そして万丈一致で、名前がドクロンに決定した、頭蓋骨スケルトンであった。
「それでどう思います?」
「でも、学校の惨劇はドクロンが犯人だとして、私達が途中で見た、ゴブリンや人の食い荒らされた死体は誰の仕業になるのよ?、それもコイツの仕業ナの。」
(そうと決まった訳じゃないのにドクロンを睨まないで上げてください)
「そうなんですよね、本当は本人に聞くのが早いんですがドクロンは覚えてませんし、あの食い散らかしはドクロンかと言われたらそんな気がしないんですよね」
「ならこのまま、探索するしかないんじゃないの。」
「そうしますね、後1~2キロは探索して情報を集めて何も無ければ、北側の捜索に入りましょう」
「了解。」
俺はマンションから各方面に5キロを捜索範囲に設定した、そうすれば北側は大きな貯水湖があり、更に北側からの流れが少ないだろうと思い、自分の中でどこに敵が居るのか予想がしやすいと思い、距離を5キロにしたのだ。
「アンちゃん、ヤッパりオレをパーティーに入れてくれねぇノか?」
急にドクロンが話しかけてきた、流石に頭蓋骨が動いたり、俺達が持ってる所を第三者に見られたら大変な事になるので、今ドクロンは俺のリックの中に居る為、話してる声や姿を見られなければ大丈夫だろう。
「パーティーかぁ~、別に入らなくても良いと思うんだが入りたいのか?」
「はいったホウがナンだか仲間っポいだろ?」
(そんな理由かよ‥それなら入れたくないような気が・・・)
「もっとマシな理由が欲しかったよ 」
「リユウが無いわけじゃ、ないゼ?」
「あるならさっさと言えよ、俺はそんなに優しい訳じゃないぞ」
「オレ的にアンちゃんは優しいとおもうんだけどナ」
「ははッそれはないな‥‥俺は酷い人間だ、、現に人を殺してるしな、そんな事より他の理由って? 」
「マジカ‥アンちゃんはそんな風には見えないけどナ、そして理由ダがずばり!オレもレベルを上げてぇ」
(こいつ正気だろうか・・・・・)
「ナニか言ってくれよ、ワカラねぇじゃないか」
「正気か?」
何か言えと言われついつい思ってた事を言ってしまう。
「ショウきもショウきさ、オレには今うごかせるカラダはねぇ、だからちぃっとデモ強くなりたいんダヨ、でもアンちゃんが言おうとしてるコトも分かルゼ、オレが人をコロしたのにまだ強くなるのかってダロ?」
「まぁな俺はそこまで気にはしないが、望奈さんは反対すると思うぞ」
「オレはさっきアノ人の山をみてオレは自分で自分をコロしたくなったよ、オレは何テことをしてしまったんだとよ…‥だからよアンちゃん、オレは、動かせるカラダはなくなッちぃまったが、人を、これからは助けて生きたいんだよ。タノム、オレのワガママを聞いちゃくれネェか?」
いつも何処かふざけた口調が強かったドクロンからは、ふざけた口調が感じられず、そのしっかりとして声色が嘘をついてる感じが無く、どれほど真剣に自分のやった事に対して償おうとしているのかが感じられた。
(だが、簡単に信じて良いのか悪いかで言えば話は別だ、味方と思って居た奴が裏切った場合に被害を受けるのは今は自分だけじゃない、一緒に行動している人にも被害が及ぶ可能性があるなら、そう簡単には決められないだろう、それに望奈さんはドクロンが強くなるなんて最初っから反対だろうし‥ )
「お前にとって命の重さは平等なのか?」
「びょうドウじゃネェな、重さナンてのはオレがその人に恩をかんじてるいるか、助けるコトによってより大ゼイの人がよろこぶかがオレはじゅうヨウだと思っている」
「ドクロン、パーティーに入れるよ、だけど望奈さんに言うのは後でだから今は内緒な」
「ワカったぜアンちゃん、ありがトウな」
ようやく話しがまとまり俺とドクロンの話し合いは終わり、俺はドクロンにパーティー申請をした。
このシステムは別に相手のLvやHPが分かるという便利機能が無いが、機能が無い為に視界の端に他人の名前やHPが表示される事も無く。
その為、望奈さんがドクロン加入に気づくのはステータス画面から切り替えてパーティー画面を開いた時だが、今は外で情報収集をしている状況だ、わざわざ開いて見てしまう事も無いだろう。
「よろしくなドクロン 」
(君にはこれから俺の罪の共犯者になってもらうよ)
「アア、コッチこそよろしくタノムぜアンちゃん」
正式に新たな仲間が増えたのだった。
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