愚かな宇宙人

3.14

愚かな宇宙人

ある日、空に赤く弧を描きながら"何か"が飛んできた。

「ヒューーー…」

まるで空に向かって打ち上げた花火かのような音をたて今回は空ではなく地面に向かって落ちてきた。

向かってくるそれとまたそれに向かっていく地面。

その瞬間にとてつもない衝撃音が頭の中を走った。

墜ちてきた"それ"は地面に対して斜めに、鋭く突き刺さっている。

見た目は、よくテレビや本で見たまんまそのUFO。

円盤は丸く、今は地面に刺さり半円だがそれは地球に降り注ぐ太陽によってピカピカと不思議な煌めきを魅せていた。

それに続くように円盤をまたよくを見ると表面には細かな模様が大量に施されていた。

それもまた青く光っていた。

少なくとも地球のモノとは考えられないそれに私達は後のことを考えられることもなくただただそれに魅了されていた。

すると、突然、

「ウィィィィンーー…」

不思議な機械音をたてると、地面に振動が走り、突き刺さっていた円盤が少しずつ中から這い出てきた。

近代的なその円盤、

それにかかっていた我が地球の土も少し時間も経てばすぐにパラパラと落ちて行った。

もうそこまでくればその姿は、はっきりと綺麗に見えてくる。

そしてその人だかりも多くできてくる。

「キュイィィィーン−ッ」

また激しい音を立て今まで青色だった光りも赤色に変わった。

まるで閃光かのように強く光り出している。

皆、固唾をのんで身構えた、その時


「プシュゥゥ−ー…」


目の前にある金属の円盤が音をたてながらきれいに開く。

すると中から背の高い何かが出てくる。

観覧者達は恐怖心など消えあるのは、好奇心のみ。

そしてとうとう人々の目の前に出てきた瞬間…。

結局その人々は、宇宙人の姿を見ることは、出来なかった。

いや、正確に言うと原型を留めた宇宙人の姿を見ることは、出来なかった。

地球の大気圧によってその宇宙人達は、もうぺしゃんこに。




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愚かな宇宙人 3.14 @3140905

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