死合ワセの物語(しあわせのはなし)

神楽 香良

episodes-1

「起きてください、もっしもーし、

起きてくださいよー!」


--なんだ、この懐かしい感覚は。


さっきまでいた、人間の世界とは違うのか?

俺は俺じゃなくなったのか?

どう言う状況だ?


少し格好つけたが、つまりは…


「ここ、どこっすか?」


ということなのだ。


「あ、起きた!!!!!」


* * *


「私は、あなたの守護天使、アメです!

ようこそ天国へ!!」





「はぁ…そんな“めんそーれ沖縄”みたいなノリで

言われてもわからんのっすわ」


俺は全てが理解できていなかった。


「俺は死んだ…のか?」


俺の“守護天使”ことアメは笑顔で応える。


「はい!おめでとうございます!

めでたく本日、亡くなられたのです!!

おめでとうございますうううううう!!

フゥゥゥゥ!!」


--いや、何もめでたくないのだが。

っていうかむしろめでたいのはお前の頭ではないか。


「…んで、ここは死後の世界ってことか?」


「そういうことになりますね。」


少しずつ状況を掴んできたことに、

若干の安堵を憶えた。


「ここは天国。生前なんて忘れて、

自由になっちゃいましょう!」


アメは笑顔でそう言う。

彼女なら、何もかも

笑ってごまかせてしまいそうだ。

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