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どうでもいい日々だった。
しぬと思っていたのに、予想外に、生きている。
戦いの日々だった。
相手は、人ではない。
正義の味方だった。だからなんだという思いもある。正義の味方だからといって、街を守っているからといって、だから、なんなんだ。誰からも称賛されず、ただ戦う毎日。どこかでしぬと思って生きてきて。そしていま、まだ生きている。
目の前。彼女。いつも気軽に話しかけてくるのに、今日はもじもじして、話しかけてこない。
彼女との会話が、ちょっとした休息だった。街を守る正義の味方だけど、彼女の名前も連絡先も知らない。それでも、一応、自分がいちばん守りたい相手に指定している。付き合ってもいないのに。
彼女は、今日でこの電車に乗るのが最後らしい。ついさっき連絡があった。
自分は彼女に会うためだけに、意味なくこの電車に乗っている。それも、今日で終わりかもしれない。
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