マジカルバナナ

とうま(お茶にごし)

第1話 再会

「なぁ、たくちゃんさぁ……昔やったマジカルバナナって覚えてる?」

 今日は2年ぶりに地元の友人の幸哉と食事に来ていた。

「マジカルバナナ? ああ、美奈が好きだったよな。何がそんな楽しかったのか知らんが」

2年ぶりに会い積もる話もあるだろうと思っていたのだが幸哉が最初に出した話題が昔のことで少し違和感を覚える。

「そそ、そのマジカルバナナを神社でやったじゃん?」

神社は子供の頃よく仲間で集まり遊んだ場所である

「神社? あー……やったかもなぁ」

正直記憶もあやふやで適当に話を合わせた。

「やっぱり……おまえまだ思い出してねぇのな」

「思い出す? 何を?」

深刻そうな表情で箸を置き詰まりながらも話し出す幸哉。

「10年前、おまえ病院に運ばれたことがあったろ?」

10年前、確かに1度倒れて救急車で運ばれたことがある。

「あの時、おまえは美奈に首を締められて窒息してしまったんだよ。」

「え? 美奈が? 冗談だろ、あいつは今でも俺と付き合ってるんだぜ?」

実際、拓海は美奈とは小学生の頃から付き合っていて未だに喧嘩なんて2、3回しかしたこともないくらい仲が良かった。それもあり美奈に首を締められたなんて話は信じられない。

「いいから……黙って聞け。いや、今まで話せなかったことに謝罪させてくれ…俺たちも怖かったんだよ。…言い訳にはならねぇだろうがすまない……」

拓海は幸哉の異常なほどの怯え方に唾を飲む,そして怯えながら話し始めた

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