その2 ごっこ遊び
ごっこ遊び、幼い頃に遊んだって人は老若男女問わずいると思います。
一番多そうなのは好きなアニメのキャラになりきるごっこ遊びでしょうか。
日曜の朝に放送されている某アニメや某特撮のごっこ遊びした人も多いのではないでしょうか。
あとはおままごとなんかもごっこ遊びですよね。
今回はそんなごっこ遊びの思い出について語りたいと思います。
私はよく友だちとお店屋さんごっこをしていました。泥を固めて葉っぱや花で飾り付けたケーキを作ったりとか。
きっとこれは誰でもありそうですよね。
変わり種なら「お味噌屋さんごっこ」でしょうか。
地元の駅ビルの地下にある食品売り場、いわゆるデパ地下というやつですね。子供の頃にお味噌屋さんがあったんです。残念ながら今はなくなってしまったのですが。
赤い樽に山のように盛られた味噌が10種類ほど並んでいました。赤い味噌、白い味噌、黒い味噌。初めて見た時は「味噌って色んな種類があるんだ!」と感動したものです。
特に「仙台味噌」が何故か私の心にすごくヒットしたんですよね。
私の両親は東北出身でしたから、幼い私も「仙台」という地名は知ってて。
何か味噌に地名がついてるのがすごいことのように思えたんです。
夏にお風呂場で水遊びする時によくしたのがそのお味噌屋さんごっこで、仙台味噌は一番の売れ筋になっていました。唯一知ってるのが仙台味噌だったので。
プリンとかの空き容器に味噌に見立てた水や石鹸で作った泡を乗せたりなんかして、架空の味噌をいっぱい売っておりました。
人生でまだ実際に仙台味噌を手にしたことがないので、いつかは仙台味噌で味噌汁を作るのが密かな夢だったりします。
ごっこ遊びと言えば忘れられないのが、「友だちになろう」ごっこです。
これは当時同じアパートに住んでいたMちゃんが考えたごっこ遊びです。
お互いに別人になりきって全くの赤の他人ということにして、偶然出会って友だちになって仲良くなるという遊び。
遊び方はというと、最初に自分の役の名前を考えます。
好きな名前とか憧れの名前とかそんな感じで。
仮にMちゃんが鈴木愛子で私が佐藤花子という名前になったとしましょう。
愛子と花子は学校も違うし、友だちでも何でもない赤の他人。
二人はたまたま同じ公園に来てそれぞれ一人で遊んでいます。
愛子の目の前を通った花子は自転車の鍵を落としてしまうのです。
「あの、すみません、何か落としましたよ」と声をかける愛子。
「ありがとうございます。これは大事な自転車の鍵なので教えてくれて助かりました」
「役に立ててよかったです。ところで私は鈴木愛子といいます。よかったら友だちになりませんか?」
「いいですね。私は佐藤花子です。是非友だちになってください」
といった実際にそんな会話から友だちにはならんだろうという、幾分嘘くさい出会いをはたして友だちになった愛子と花子が仲良くなって遊ぶ。
大まかに説明するとこんな感じのごっこ遊びでした。
友だちになる過程は毎回違ってましたし、なるキャラクターも違ってました。
遊ぶ時は普通にブランコやすべり台の遊具で。でも会話はあくまでも架空の愛子と花子の話。親戚がハワイに豪邸を持ってるとか。この間、オーストラリアの別荘に行ったなど。
お互いに架空の話をしてその話に合わせて会話するんです。
ちなみにMちゃんはよく「しはる」という名前を使っていました。
こういう遊びも小説を書くことに繋がっているような気がしています。
一人でごっこ遊びすることもありました。
そもそもそれは一人でするものなのか?
できるのか? と疑問に思う方もいるかもしれませんが、私は一人遊び大好きな子だったので普通に遊んでました。
念の為に言うと私は友だちがいなかったわけではないです。たくさんいたわけではないですが、ある程度仲良くしている子は4〜5人いました。
けれど友だちみんながいつも暇とは限りません。そんな時は一人で遊ぶことだってあるわけです。
家はゲーム禁止の家庭でしたから、一人遊びの最たるものゲームはできなかったんですよ。
私は理想の友だち像みたいなのがあって、そんな理想を詰め込んだ友だちがいる体で遊んでました。
イマジナリーフレンドを思い浮かべた方もいるかもしれませんが、ちょっと違います。
理想の友だちの役も自分でやっていたのです。一人二役みたいなのを想像してください。
ごっこ遊びというか、一人芝居に近いですね。
この遊びの私は私であったり、また別人であったりすることもありました。
普通に友だちと交換日記もしてましたが、交換日記を一人で三役で書いたりとか。
なんかこう書くとただの寂しい可哀想な小学生なんですけど、私自身はその一人遊び大好きでした。
人がいない公園とか神社とか。家族がいない時は家で、そんな一人芝居じみた遊びに没頭していました。
これもまた小説や創作に繋がってるんだと思います。
私はストーリーとか設定を考えるのが好きで、大人になっても変わらなくて、最終的に小説にたどり着きました。
演劇に行かなかったのは演じて遊ぶより、話を考える方が好きだったからです。
今は一人芝居とかしなくても文章を書けば一つの形になるので、小説を書く趣味を見つけられてよかったなと思います。
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