異世界の『異』は異形の『異』

朱鷺

欲望は死に向かう。

特権階級者により

僕は召喚された。


この異世界では死さえ欲望の対象であった。


鈍く光る鋭利な刃物が

滑るように分断して行く

象牙色の脂肪

滴るような赤い肉の断面。


ナイフの手技を褒めたたえる声。


SNSに晒された、

バラバラに損壊された死体の肉片

多数のイイね。


嬉々としてスマホを向け

今日はこれを食べますと承認欲求を、

食欲を、さらには後に続く性欲を満たす。


彼らは最上の死体を求め、むさぼる。

人間は罪深い。


高級和牛焼き肉店


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