第6話 配合
その日、俺は宿にいた。
目の前にはいつもの3匹、そしてレイナ。
そう、お待ちかねの配合の時間だ。
「まずはララからだ」
「デドラッ!!」
ララに混ぜる素材は、いつも通りのメタルカナブン。
その鋼の身体をさらに堅牢にするために、最近はメタルカナブン以外の配合素材は使用していない。
メタルカナブンとララを配合する。
光り輝くララの身体。もう見慣れたな。
そして光が晴れると、ララの身体に変化は……無かった。
「次はリリだ」
「ルガァ!!」
リリに混ぜる素材は、『デビルベヒモス』。
強靭な肉体を持つ、真っ赤なウシ型の魔物だ。
これといった特殊な攻撃はしてこないが、その驚異的な身体能力でSS級にまで上り詰めた最強クラスの魔物である。
デビルベヒモスとリリを配合する。
光り輝くリリの身体。
そして光が晴れると、リリの毛が若干赤みを浴びていた。
「次はルルだ」
「テ・ケリリ!!」
ルルに混ぜる素材は、『デーモンゴースト』だ。
頭に角が生えた幽霊系の魔物で、生者の恐怖を食う特性がある。
その特徴はルルに都合がいい。その為、今回配合素材に選んだ。
デーモンゴーストとルルを配合する。
光り輝くルルの身体。
光が晴れても、ルルに変化はなかった。
「最後は……レイナもするか?」
「うーん……どうしましょう」
正直、レイナに配合を行うメリットは薄い。
レイナには【最終進化者】というスキルがある。
これから先、進化することはないというスキルだ。
配合をしても、レイナは進化しない。
ステータスに変動はあるかもしれないが、しかし……美しいレイナの容姿が変わってしまうことは避けたい。
だったら……配合は辞めた方がいいだろう。
「レイナは辞めておこうか」
「わかりました。アルガさんはするんですか?」
「いやぁ……辞めておこう」
ある時から、俺はステータスを確認することができなくなった。
不安になって調べていると、シエルさんから興味深いことを言われた。
どうやらシエルさんも、自分のステータスを見ることができないようだ。
シエルさん曰く、一定の水準以上の力を得た者は、ステータスを超越するらしい。
つまり俺もその水準を、越えてしまったのだろう。
「デドラァ!!」
「ルガァ!!」
「テ・ケリリ!!」
瞬間、3匹の身体が輝いた。
これはもしや……。
「進化の兆候!!」
3匹の身体が光り輝く。
そしてその光が晴れると、これまでとは比べ物にならないほどに大きく成長した3匹がいた。
「フドラァ!!」
「オガァ!!」
「テ・ケリリ!!」
ララの変化は凄まじい。
ヘビのように細長かった身体は、進化した今ではガッシリとした。細い脚も同様に、丸太のように太くなっている。
背に生えた翼は、より大きく。美しい鋼の鱗は、その頑強さを保持したままよりきめ細やかに。
顔の変化は少ないが、些か目つきが鋭くなったように思える。
まさしく、イメージ通りのドラゴン。そんな風貌に変わった。
リリの変化は、より素晴らしい。
ある一点を除き、リリの変化は少ない。
だが、その一点だけで……3匹の変化を大きく覆すだろう。
そう、リリは──首が2つになったのだ。
元々あった首の隣に、ニョキッと生えたもう1つの首。
リリはソレに戸惑う様子はない。
ルルの変化は……ほぼない。
少しだけ色が濃く、より漆黒に染まった程度だ。
「スゴい!! 凄まじい進化ですね!!」
「容姿の変化も凄まじいが、ステータスはもっと恐ろしいことになっているだろう」
俺は3匹のステータスを確認する。
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【名 前】:ララ
【年 齢】:1
【種 族】:ファフニール
【レベル】:1
【生命力】:343861/343861
【魔 力】:842648/842648
【攻撃力】:7363849
【防御力】:9284763213
【敏捷力】:56839
【汎用スキル】:剣術 Lv6
短剣術 Lv11
体術 Lv8
引っ掻き Lv999
噛みつき Lv999
突進 Lv999
超音波 Lv5
【種族スキル】:ドラゴンブレス Lv999
ドラゴンテール Lv999
ドラゴンウィング Lv999
ドラゴンクロー Lv999
ライトニングタックル Lv42
ライトニングサンダー Lv41
ニードル Lv7
毛棘飛ばし Lv4
火炎車 Lv6
毒爪 Lv10
メタル化 LvMAX
【固有スキル】:鋼の鱗 LvMAX
【魔法スキル】:《
────────────────────
────────────────────
【名 前】:リリ
【年 齢】:1
【種 族】:オルトロス
【レベル】:1
【生命力】:658393/658393
【魔 力】:164759/164759
【攻撃力】:9075903713
【防御力】:8748472919
【敏捷力】:61438740745
【汎用スキル】:引っ掻き Lv999
噛みつき Lv999
突進 Lv999
嗅覚強化 Lv999
【種族スキル】:肉裂爪 Lv999
電磁防壁 Lv631
ライトニングタックル Lv788
ライトニングサンダー Lv876
スパークカッター Lv811
サンダーブレス Lv777
ヘルサンダー Lv453
ヘルブレス Lv999
ヘルフレイム Lv999
超音波 Lv6
ニードル Lv6
毛棘飛ばし Lv11
火炎車 Lv8
毒爪 Lv20
地獄の遠吠え Lv44
【固有スキル】:地獄の
【魔法スキル】:《
《
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【名 前】:ルル
【年 齢】:1
【種 族】:ショゴス・ロード
【レベル】:1
【生命力】:999999999999/999999999999
【魔 力】:999999999999/999999999999
【攻撃力】:999999999999
【防御力】:999999999999
【敏捷力】:999999999999
【汎用スキル】:引っ掻き Lv999
噛みつき Lv999
突進 Lv999
【種族スキル】:狂気乱舞 Lv999
狂気錯乱 Lv999
恐怖付与 Lv999
神経攻撃 Lv999
潰エタ希望 Lv999
祝福セシ滅亡 Lv999
忌々シキ太陽 Lv999
悪ナル上位 Lv999
滅ビヨ人類 Lv999
超音波 Lv17
ニードル Lv7
毛棘飛ばし Lv4
火炎車 Lv6
毒爪 Lv10
【固有スキル】:回復のコツ LvMAX
恐怖を啜るモノ LvMAX
【魔法スキル】:《
《
《
《
《
《
────────────────────
「……凄まじいな」
全員新規のスキル習得はない。
だが……ステータスの上昇率が、尋常ではなあい。いち、じゅう……多いステータスに至っては、1000億を超えている。
正直、これならば邪神でもなんでも、敵ではないだろう。これほど強いのならば、楽勝で勝てるだろう。
1匹だけでも邪神を優に越えるだろう。
「俺は……心配しすぎていたみたいだな」
「ふふ、心配性なところも好きですよ」
「そうか、それはありがたいな」
「え、それって……結婚してもいいってことですか?」
「違う」
そんなくだらない話をしながら、俺はベッドに横になる。
心配しすぎる必要はない。これで……ゆっくり眠れそうだ。
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