先従瓶始 ~先ず瓶より始めよ~
杜松の実
一通目
近頃話題の新感覚メッセージアプリ〈ボトルメール〉。
アプリのインストールが完了すると、仄暗くなっていたアイコンの色彩がクリアに灯る。アイコンに触れて〈ボトルメール〉が起動し、画面に純白の砂浜とそこに寄せては返す白波のアニメーションが映し出された。
眺める間も無く、画面上部より波に
その揺れているガラス瓶にタップしてみた。ガラス瓶は波打ち際から画面前部へぽーんと上がり、栓が独りでに抜かれて中から巻かれた紙が出て来た。
紙が開かれようやく読めるようになる。
〈ボトルメール〉に アカウント登録はない
〈ボトルメール〉に 返信機能はない
ボトルメールは いつどこへ流れ着くかわからない
ボトルメールは 誰かに読まれるかわからない
それでも
ボトルメールは いつかどこかに辿り着く
そこに誰かが居るのなら きっと拾い上げる
さあ ボトルを電子海の流れに託そう
さあ あなたの言葉を奇跡に委ねよう
さあ 世界はきっと あなたが思うより広く 小さいから
創設者 カスピの魚
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます