第50話 いや友人じゃねーよ.....。

「夜に突然やって来ては滅茶苦茶な事を言うね。.....でもそれなら確かに仕方が無いな。俺にも出来る事があるなら協力をするよ」


「すまない」


夜に山部に羽田の家に向かうと呼び出され。

俺と山部は直談判に向かった。

それから羽田が驚いた様に出て来てからそうなる。

すると羽田の背後から厳つい親父が出てきた。


落武者の様な頭した、だ。

髭も厳つい.....って誰だ。

羽田の親父か?


「話は聞かせてもらった」


「.....羽田の親父さんですか?」


「そうだ。私は羽田権三というが。.....君が噂に聞く長門藤也くんだね?」


「そ、そうです」


目がキリッとして厳ついのだが。

ヤ◯ザかな?.....怖すぎる。

俺は考えながらそのまま青ざめる。


それからずっと権三さんを見ていると。

権三さんは、私は君達を見ていて思った。.....この世界もまだまだ捨てたものではないな、と。私達に出来る事があれば協力する、と柔和な顔になった。


「.....親父。珍しいな。アンタから切り出すなんて」


「私は当たり前の事をしているだけだ。世界平和など願っても無い。.....だがこの世界の裏表ぐらいは分かるつもりだ。光。助けてやるのだ」


「.....分かった。親父が言うなら。.....長門。俺は何をしたら良い」


すると切り出す様にして山部が言ってきた。

羽田くん。貴方はもし良かったら資金面とか場所を提供してくれない?、と言う。

俺はその姿を見てから羽田を見る。


羽田は顎に手を添える。

それから、そうだ。じゃあこの場所を使うか?、と言ってくる。

何?羽田の家か?


「この家なら板前も居るし何でもあるからね。.....使って良いよ。そういう事に使うなら歓迎だ」


「.....すまないな。何から何まで」


「やっと恩返しが出来そうだな。君にな」


「.....ああ」


それから俺達は羽田の家に入ってから。

そのまま説明を受けた。

この家なら旅館擬きが創れそうである。

俺達は見合ってから笑みを浮かべる。

そのまま帰宅した。



作戦決行は状態を見てからになる。

だが.....そう待機も出来ない気がする。

俺は思いながら.....考えていると。


翌日の朝の午前7時30分。

インターフォンが鳴った。

何だこの朝っぱらから誰なんだ。


思いながらインターフォンを見ると。

予想外の人物が3名立っていた。

玄関に飛んで行く。

それから玄関を開けると。


「やあ」


「.....」


「よっす!」


何故か知らないが中島と。

遠野と八女が居たのだが.....3人とも各々の表情をしている。

何やってんだコイツらは。

遂に陥落させられる日が来たのか非リアが。

俺はゾッとしながらも3人を見ていると。


「.....君にお願いがあって来たんだ。.....特に雪子がね」


「それから俺な」


「.....へ?」


俺は愕然としながら雪子を見る。

すると中島は遠野に促される様にして俺を見てくる。

眉を顰めて相変わらずのブスッとした顔で、だ。

だがやがて唇を噛んだ。


「.....助けてあげてくれない。.....ユナを」


「.....!」


「.....今までの事は謝りたい。.....私は.....ユナが.....ユナが心配だから」


「.....お前.....」


という事らしいんだ。

遠野は言いながら苦笑する。

八女も後頭部に手を添えながら苦笑していた。

俺からも頼むぜ、と言いながら八女も言ってくる。

そして八女らしくない真剣な顔で見てくる。


「結局はみんな心配だって事だな。アッハッハ」


「.....お前は呑気だな.....遠野」


「.....僕も心配だよ?.....ユナは仲間だからね」


「そうか」


彼氏が一番側に居てあげるのが一番の救いになる、と遠野は笑みを浮かべる。

それから、な?雪子、と中島の肩に手を添える遠野。

中島は涙を浮かべて目を潤ませていた。

信じられないもんだな。

あの中島が心配そうな顔をしている。


「.....俺っちは.....役に立たないけど.....でもそれでもユナの側に居たい。だから役に立てる事があったら言ってくれよ」


「.....八女.....」


「噂に聞いたけど旅館もどきなどをするらしいね。君達。僕達も参加して良いかな。羽田の友人として」


「.....遠野.....まあもう勝手にしろ。全くな」


やれやれ。

結局はリア充だな。

俺は考えながら溜息を吐く。

それから笑みを浮かべた。


中島はそっぽを向きながら。

そして遠野は苦笑しつつ。

八女も苦笑いを浮かべながら俺を見ていた。


「すまなかったね。朝早くから」


「.....機にする事は無いけど.....陥落させられに来たのかと思った」


「は?何言ってんのアンタ」


「.....おおう」


中島は威嚇する様に俺を見てくる。

駄目だなコイツは直ってない。

まあそりゃそうだろうけどな、と思いながら見ていると。

みんな?何やっているの?、と声がした。

その方向を見ると.....ユナが。


「ユナ.....大丈夫なのか?」


「.....うん。取り敢えず学校には行きなさいって。だから行くの学校に。藤也と一緒に行こうとしたら.....そしたら何でかみんなが居たから」


「コイツらはみんなお前を心配して来たんだ」


「.....そうなの?」


ユナは目を丸くしながら3人を見る。

俺は苦笑しながら見ていると。

中島が唇を噛んでいた。

そして駆け寄って行く。


「.....雪子.....」


「やれやれ。素直じゃないこったな」


「それは確かにな。っぺー感じだわ」


俺は4人を見る。

そして空を見上げた。

偶然にも梅雨なのに晴れ渡る空を、だ。

それから、準備して来るから、と切り出して4人を置いてからそのまま玄関に戻る。

そうしてから準備してから外に出る。


「お兄ちゃん」


「.....何だ?聖羅」


「友人が増えて良かったね」


「いやあれ達は友人じゃねーよ.....」


ただのリア充どもだ。

俺は再度苦笑しながらそう学校の準備をしている聖羅に告げる。

訳も分からずだろうけどランドセルを背負ってニコニコしているユウちゃん。

その姿を見つつそのままローファーを履いてからそして玄関を開ける。


作戦決行までユナとユウちゃんには内緒にしないとな。

考えながら.....何処をどうするか、と。

そうまた考えた。

何処を加工していくか、だ。

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