第2章 変わる世界と藤也と

コラコラ

第45話 生徒総会

冨永が正式に羽田と付き合う事になった。

羽田の親父さんを説得するのに相当な時間が掛かったが。

脳内が腐った親父じゃなくて良かった気がする。

俺は考えながら6月3日。

学校に登校する。


間も無く.....服装も変わる時期だな。

俺は考えながら梅雨に差し掛かり傘が必要になった通学路を見る。

通学路では様々な生徒が歩いている。

その中で背後から、長門、と声がした。


「.....ああ。お前か。山部」


「そうだけど。何その顔。見たく無いものでも見た感じの腐った魚の様な目」


「.....朝イチからお前の顔を見るとこんな顔にもなるよな」


「失礼過ぎない?それって」


「いや。失礼とかじゃ無いと思う」


そもそも俺は山部が嫌いだった時もあったのだ。

まあ今は違うけどな。

思いながら、そういやお前の恋人はどうした、と聞く。

だが、そういうアンタの恋人はどうしたの、と切り返される。


「ユナなら忙しいんだ。色々と何だか」


「ああそうなの。佐藤ならサッカー部の練習」


「.....そうか。そうなるとお前しか居ないわな」


「そういう事」


そして2人で歩く。

すると山部が聞いてきた。

羽田くんだっけ。


あの人達は上手くいっているの、と。

俺はだらけた感じで答える。

まあ上手くいっているよな、と。

そうなんだ、と山部は納得して見せる。


「俺としてはこうなって良かったと思ってる。羽田.....が上手くいって良かった」


「まあアンタみたいな奴を友人と認めるのも辛いでしょうけどね」


「それはもっと失礼じゃね?」


「そうかしら」


「.....ったく」


俺は盛大に溜息を吐きながら歩く。

それから学校に着いた。

俺と山部と佐藤は同じクラスになったのだが.....まあそこそこに気楽な感じなのでこれはこれで良いか、と思っている。

思いながら俺は下駄箱を開けていると、藤也、と声がした。

マイラブリーユナたん、だ。


「ユナ。どうしたんだ」


「ううん。学校の仕事終わったし恋人の顔が見たかったから」


「.....あのな。いきなり恥ずかしいんだけど」


「エヘヘ」


お2人さん。

イチャイチャするのも良いけど遅刻するよ?、と山部が言ってくる。

俺は、まあそうだな、と答えながら、行くか教室に、とユナの手を握る。

そんな些細な行動でもユナは大喜び。

何この可愛い生き物。


「全く。イチャイチャね。本当に」


「そういうお前も散々甘えているよな。佐藤に」


「ばっ。そんな事ないわよ!!!!!」


「いやある」


「そうだね」


もう!森本さんまで!?、と言う山部。

俺はその姿を見ながら苦笑しつつ。

3人で学校の校舎内を歩く。

そしてクラスまで向かう。

それからドアを開けると羽田が一番にやって来た。


「やあ」


「.....おう。羽田。調子はどうだ」


「そう言う君は調子はどうだい」


「俺はまあボチボチだ」


「そうか。実はな。健康診断っていうか検査が終わった後に期末考査があるよな?それで勉強会をしようって話になっているんだが」


「俺は不参加で」


早いな相変わらず、と苦笑いを浮かべる羽田。

すると奥の遠野さん?が、まあまあ、と俺に説得する様に言ってくる。

君への感謝も込めてやりたいんだパーティーを羽田の家でね、と。


ますます嫌だな。

俺は、断る、と告げると。

背後からぶっ叩かれた。

佐藤である。


「アンタ.....相変わらずね」


「そうだな。相変わらずクソだ」


「オイ佐藤。テメェマジ卍」


「死語だってのそれ。痛いんですけど?殺すよ?」


「ハァ?やってみやがれこのハゲが」


俺達は睨み合いながら取っ組み合いをする。

すると山部とユナが、止めてもうみっともない、と言ってきた。

俺達は外方を向きながら、ふんだ!、と言う。


ったくこのクソッタレが。

思いながら羽田を見る。

羽田は苦笑していたが優しく見守っていた。

君達は本当に仲が良いよな、と。


「良くないけどな。俺はクソバカとは」


「誰がクソバカだ。殺すぞハゲが」


「テメェな」


犬猿するほど仲が良い、と言う言葉もあるぐらいだ。

だから大丈夫だ、と言いながらまたも苦笑気味でユナに向く羽田。

ユナは、そうかなぁ?、と言いながら睨み合う俺達を見る。

でも羽田くんが言うなら、と納得する山部。


「羽田くんが言うならそこそこじゃない?森本さん」


「そうかなぁ.....」


そんな感じで時間は過ぎていき。

ホームルームの時間になった。

それから俺達は勢い良くそっぽを向いてからそのまま椅子に腰掛けて。

そのままホームルームを受ける。

すると担任が、みんな。生徒総会の話だ、と言ってくる。


ああそう言えばそういうのも有りましたね。

思いながら俺はボーッと目の前を見る。

そして担任が、生徒総会では色々な生徒会長の話とかがあるからな。みんな寝ない様に、と言ってくる。

寝るだろうな確実に。


「寝ちゃ駄目だからね。藤也」


「煩いな」


そんなヒソヒソの声にそんな回答をしながら。

俺達は話を聞く。

しかし生徒総会か、と思いながら。

この学校の次期生徒会長候補って誰になるかな、と思う。


「大勢の話から羽田を生徒会長候補にしようという話で持ち上がってはいるが.....まだ確定じゃない。色々な噂をしない様にな」


「「「「「はい!」」」」」


羽田.....ねぇ。

俺は思いながら羽田を見る。

羽田は恥ずかしそうな感じで頬を掻いていた。

すると先生は立て続けに、そしてもう一人生徒会にふさわしい人がこのクラスに居ると聞いてはいる。だが確定してない。これも噂しない様にな、と言ってくる。

誰だそれ。


「長門。君だ」


「.....」


ずっこけた。

一瞬、聞き間違いかと思ったが。

どうやら聞き間違いでは無いらしい。


おいコラ推薦した奴はどいつだ。

何考えている。

思いながら周りを見る。

ニヤッとしているその人物。


「.....」


「.....」


遠野だった。

まさに何を考えているのだ。

俺を生徒会?

冗談じゃねぇぞ。

書記でもやらせるつもりかよ。


「藤也凄い.....」


「凄くない。俺は帰宅部で絶対に生徒会とか嫌だからな。ふざけるな」


後で遠野は首でも締める。

俺は思いながら目の前の黒板に書かれた生徒総会の事を見た。

全く冗談じゃない。

そう思える様な感じだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る