ボッチであるこの俺がリア充の女子がたまたま不良に絡まれているのに気付き通報したら救ったリア充のメンバーなどから相談を持ち掛けられる様になったのだが

アキノリ@pokkey11.1

第1章 何故こうなった

リア充に感謝される様になってしまったんだが

第1話 救済と人生の変化(改訂)

こういう話がある。

それは周りもそうだが起こる人は起こるんじゃないだろうか。

何を言っているのかって?


そうだな。

モテ期ってのをご存知だろうか。

まるで引力の様にある時期に女も男も突然、異性やらにモテ始める事を言うのだが。


それが今なのか?

まあその.....異性だけじゃなくて別の意味も携えて言っているが。

どんな意味かといえば。


「長門」


「何でしょうか」


「相談に乗ってくれるか」


「何の相談.....?それに何で俺なんだ」


リア充カースト最大のトップ。

羽田光(はだひかり)。

茶髪で高身長でイケメンで。


そして何と言っても部活成績も勉学成績優秀。

非が無さすぎる野郎。

妬ましいのだが。


そんな野郎がリア充の女子の森本に次いで話しかけてきている。

それもスクールカースト下位の出来損ないの俺に、だ。

スクールカースト下位の存在のモブに。

どうなっているのだ。

世界が変わったな.....本当に。


俺は、!?、と浮かばずにはいられない。

顔が引き攣る。

何故こうなってしまったのか。

それには訳があるが。

だからと言えこうなるか普通?



それは桜が散ってだがそれでも春だった頃。

丁度、県立稲門高校2年生に進級した4月15日の事だ。

俺、長門藤也(ながととうや)だが。

珍しく回り道をして帰宅していた。


そして早足で歩く。

本屋に向かったので遠回りになってしまった。

町外れの本屋だがそこにはラノベが沢山置かれている。


この町にも本屋はあるが小さい為、だ。

そこでラノベを4冊買ってそのまま帰宅していた。

ラブコメのラノベであるが。


「やはり良いよな。ラブコメは最高だわ」


そんな事を呟きながら俺はウロウロと歩いて帰宅する。

横断歩道を渡ってビルの間を縫って帰る。

すると。


いや!、とか、止めて!、とか。

そんなのがビルの間の道から聞こえてきた。

読書をしている俺でも気が付くぐらいの声だ。

俺は顔を上げて、?、を浮かべてその音の聞こえた方角を見ると。

事件が起こっている様子であった。


女子生徒が不良に捕まっている姿を見掛けたのだ。

茶髪で小さなイヤリングをした美少女、というかあれは。

俺のクラスのスクールカースト上位。

つまりリア充の森本ユナ(もりもとゆな)だ。

男達に腕を掴まれている。


何が起こっているのか分からず身を潜めてその姿を見ているとあまり良い感じでは無くなってきていた。

それもかなり。


何がどうなっているのかといえば森本のパンツを下ろそうとしている。

つまりその状態で犯そうとしている様だ。

これは良くない。

エッチな事をしている。


「はっはっは。しかしやっぱ近くで見ても良い女だぜ。俺達の誘いを断るなんてよ」


「だな!アッハッハ!」


2人組の男がそう言いながら森本の顔を掴んでいる。

捕まえている様だった。

どうやらかなりヤバい連中に絡まれたらしい。


俺は眉を顰めたが、ご愁傷様です、と思いながらその場を後にしようとする。

嫌な事に絡まるなんて嫌だと思った.....のだが。

何だか後味も悪いし胸糞悪いので警察に陰ながら電話をした。


此方の存在がバレてないのでまあ良いかと思い。

それから状況を事細かく伝えてから向こうから聞こえるサイレンの音を聞いて逃げ出す男達を見て直ぐにその場をゆっくり去る時に。

目をパチクリしている森本と一瞬だが目が合った気がした。

俺はビクッとしながらそそくさと去る。


「これはマズイ」


思いつつ俺は直ぐに逃げた。

まあどうせ非リアの存在の俺だ。

全てを忘れるだろ、とその様に思いながらそれから帰宅してから。


やって来る妹を軽くあしらってからラノベを読む為に2階に上がる。

早くラノベが読みたい。

なのに何か胸糞悪いなもう。

俺関係無いのに。


「全く。嫌なもん見ちまった」


そして首を振りながら俺は直ぐにラブコメの小説の世界に入る。

しかし流石大賞受賞作。

これは面白い。


翌日も学校で隠れて読もう、と考え。

そのまま翌日になって何時も通り学校に登校したのだが。

そこから話が始まってしまう。

それは今の状態に。

非リアがリア充に絡まれた。



普段通りの教室。

学校にゆっくりの歩幅で登校してクラスにそそくさとやって来てから俺の席の椅子に腰掛ける。

それから何時も通り始業の時間までブックカバー付きのラブコメラノベを読もうとした、のだが。


遠くから、あ。みんなちょっとゴメン、とタイミング良く森本の声が。

とは言え俺に近付いて来るとは思わなかったので目線をラノベに落とす。

イヤホンを着けて、だ。


集中をする。

で静かにラノベを読んでいたのだが。

横から女子の声がした気がした。

長門、と。


「長門」


「.....」


「長門?.....おーい」


「.....!?」


俺はビクッとしてイヤホンを外して顔を上げる。

いきなり森本に声を掛けられた。

その顔は笑みを浮かべて少しだけ紅潮している。

クラスの奴らが、?!、と俺を見る。

何故かといえばまあもう分かると思うが。


俺の様なスクールカースト下位過ぎるしかもボッチにスクールカースト上位の仮にも美少女が声を掛けたのだ。

その様な反応にはなるよな、とは思う。


しかしそれは良いが。

リア充のトップの奴らも森本が俺に声を掛けるのを止めない。

という事は、と思いながらビクッとする。

そして顔を上げる。


「その。昨日は有難う。.....君だよね。警察に通報したの」


「ああ。.....いや。それは俺じゃない」


「え?そんな訳ないよ。君でしょ?」


「.....」


通報するだけと言えど通報するのはそれなりに勇気が要ると思う。

お礼を告げたかったから貴方にね、と言いながら俺に頭を下げた森本。

でもそれはそうと酷いよね立ち去るなんて、と頬を膨らませた。


俺はそんな姿を見ながら顎に手を添える。

するとまた次に、ちょっとゴメンな、と声がして今度はリア充カースト上位ランカーの羽田光が声を掛けてきた。

イケメンスマイルを携えながら、だ。

そして柔和になる。


「大切な友人を救ってくれて有難うな。長門」


「え、あ、うん」


「聞いた状況では不良に絡まれているユナの代わりに君が警察に通報したんだよな?ユナを救う為に。有難う。本当に勇気の行動だと思う」


言いながら俺にしっかりした笑みを浮かべる羽田。

俺は赤くなりながら頬を掻く。

それから、当たり前の事をしただけだ、とキッパリと答える。


すると羽田は、でもな。勇気ある行動に賞賛するよ、と頭を下げた。

そうしていると俺がクラスに来たのがギリギリだったので始業の鐘が鳴る。

羽田は、鳴ったか、と言ってから俺をまた見てきた。

そして笑みを浮かべる。


「また後でな。長門」


「本当に有難うね。長門」


そして自分の席に去って行く2人。

俺はその言葉を受けながら小さく手を振って見送る。

しかしその。

また後でな、とはどういう意味だ。

これっきりで十分だぞ。


考えながら顎に手を添える。

そして考えるが、まあ一時的なものだろう。こうやって感謝されるのも、と思い特に気にしなかったのだが。

実はこれでは終わらなかった。


そしてこの日から俺の人生の。

それから高校生活の全てが変わり始めた。

何でこうなったのか。

通報したせいではあるが.....面倒になってしまったな。

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