第3話

 家に帰って眠ったぼくは、内戦中だというのに静かな朝の中、目が覚めた。

 学校へ行こうと家から出ると、一人の女の子が待っていた。青い髪をした不思議な子だ。

「ジナに狙われて生き残った人がいるって風のうわさで聞いたの」

 青い髪の女の子はいった。

「ああ、あのブラックホール使う女の子ね。なんとか、やっつけたよ」

「風のうわさがささやくには、あなたはとても危険な存在だって。この後、世界の崩壊の原因に関わってくるといってるわ」

 ぼくは、戸惑ってたずねてみた。

「風のうわさを聞くことができるの?」

 青い髪の女の子は緊張した顔で答えた。

「わたしは、風のうわさの情報拠点である風音(かざね)。風は、高天が原の声も届けてくれるわ」

「日本が内戦しているけど、どうなっているんだい?」

「わからない。風もそのうわさには戸惑っているみたい。だけど、ひとつだけ確かなことは、あなたを生かしておいては危険だということよ」

 突風が吹いた。道端の落ち葉が舞い、切り刻まれる。

 この女の子、風使いの能力者だ。

 また、戦わなければならない。

「くらえ、突風殺」

 風音の攻撃はぼくには効かない。

 ぼくは突撃して、風音の腹を殴る。

「くそう、風のうわさ・最高魔術『神風』」

 轟音がして、大気が爆発した。だけど、ぼくは平気だ。

「ぼくはまだ死ねない」

 ぼくが風音の顔を殴ると、風音は空中で三回転ぐらいして吹っ飛んで、道端に倒れた。

「嘘。わたしが負けるなんて」

 そりゃ不思議だろうな。

 風のうわさを司るいちばん偉い巫女か何かが、弱さの能力者に負けたんだから。

「あまり無茶はしないことだよ」

 とぼくは警告して、学校へ向かった。


 学校への道の途中に、また、女の人が一人、ぼくを待っていた。長身の青白い顔した黒髪長髪の女性だ。

「虫の知らせを司る情報拠点、虫愛ずるといいます。お手合わせを」

 虫愛ずるという女が突然襲ってきた。

「なんで、ぼくを狙うんですか。日本が内戦しているからですか?」

「それもありますが、虫がいうのです。あなたは危険だと」

 そして、数千匹の虫がぼくに襲いかかってきた。

 ぼくは虫に刺されても平気だ。

 また、虫愛ずるのところまで突っ込んで、顔面を強打する。ぼくのパンチ力なんてたいしてないはずだけど、弱さの能力により、相手の防御力が下がってるから、めちゃくちゃ効く。虫愛ずるは一撃で倒れ伏した。

 気絶している。

 起きそうにないから、そのまま学校へ向かった。


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