大魔王アデニス復活まで

 デスゲイズはアーガムによって育てられた。魔法や剣術を叩きこまれ、新たな魔界の王子として無数の魔物の前でパレードを行った。


 パレードの席で魔王ジアタンが暴れ始め最初の難題はジアタン討伐から始まった。


 ジアタン討伐後は魔界の大半がデスゲイズを新たな統率者として認め魔界は平穏を取り戻した。しかし空の魔王エーゲン、海の魔王オレウェアス、火山の魔王バーズはデスゲイズに反旗はんきひるがえしてデスゲイズと争う様相を示した。


 アーガムは大魔王アデニス復活を成し遂げるためデスゲイズをも利用して動きはじめる。


 ある日のこと、アデニス復活に邪魔な地水火風の賢者を殺害するため、水の賢者の居場所を突き止めたアーガムは、デスゲイズと共に水の賢者ダムルーンの屋敷に飛来した。この屋敷には大勢の奴隷がおり、その中にはデスゲイズののちの仲間になるルーシャが暮らしていた。


 アーガムは強かったが、ダムルーンの気迫に押されてアーガムはデスゲイズを残して敗走した。デスゲイズはダムルーンに捕まり奴隷の身分となる。


 ダムルーンが急用で遠方の都市に行ったとき、ルーシャとデスゲイズは屋敷から逃げ出し流浪るろうの身になる。とりあえずザルカス市に隠れて生計をたてていたとき、恩人であるナイトフォークきょうに出会う。

 ナイトフォーク卿は二人の面倒をみて仕事を与えて、ザルカス市で暮らせるように取り計らった。しかしこれはアーガムがデスゲイズの消息を知るために配下に命令を出していたためである。

 ナイトフォーク卿からアーガムに通達が入りアーガムはデスゲイズのもとへあらわれた。


 デスゲイズは気ままな冒険者稼業の方が楽だったため、アーガムを拒み、ルーシャと共にアーガムを打ち破った。アーガムは逃れ、新たなる手でアデニス復活を目論もくろむのであった。

 

 ダムルーンのもとから逃げたルーシャが重要な奴隷であったため、彼の上司である魔法使いヴィグネイラーから激しく叱責しっせきされた。

 叱責後ダムルーンが立ち去り、ヴィグネイラーが背後に振り返ったとき暗殺者が天上から舞い降りてきた。


 しかしこの暗殺は失敗に終わった。

 この暗殺者グレイザークがヴィグネイラーが率いる強盗団一味から逃げる途中デスゲイズたちに出くわす。デスゲイズたちは強盗団を追い払い、あとからやってきたヴィグネイラーと戦うことになる。

 ヴィグネイラーは火と闇の賢者であり、アーガムと内通している邪悪な魔法使いであった。この戦いはデスゲイズ側が敗北しヴィグネイラーに捕らえられることになった。


 アーガムにヴィグネイラーから通達が入り、再びアーガムはデスゲイズたちに詰め寄る。しかし今回もアーガムは敗北し、正体を現し巨大な悪魔の姿をあらわした。


 ヴィグネイラーは悪魔にたぶらかされていたことに気がつきアーガムへの加勢をやめた。デスゲイズたちはアーガムとの戦いに勝利し見事アーガムをほろぼした。

 

 死滅する前にアーガムは、己の肉体を生贄いけにえにしてアデニス復活のために使用した。

 しかしアデニス復活は中途半端なかたちで行われたのであった。

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