第3話 女媧来襲
そして、しばらくはのんびりとすごしていたのですが、海を越えるとすごく文明の進んだ大国があることがわかりました。
それで、その大国の神とも話し合いをしなければなりませんでした。
なんでも、その中国という大国の神さまは伏犠と女禍というそうです。真ん中の国を名のっているくらいなので、さぞや凄い国で、さぞや凄い神さまなんだろうと思いました。そしたら、わたしの国が太陽帝国を名のり始めたではありませんか。太陽の本の国、日本を名のり始めたのです。やれやれ、人間とはどうしてこうだいそれたことが好きなのでしょうか。ただの水蛇のわたしにはわかりません。
で、中国の伏犠と話したいんですけど、中国の伏犠も驚くべきことに蛇を名のっていました。またかと思いましたが、実際に会ってみると、伏犠は蛇ではなくて人の占い師でした。
「どうして、蛇の神だなんて名のっていたんですか」
とわたしがたずねますと、
「それが、わたしの妻が蛇なのです」
と答えました。それで、妻の女禍が出てきたのですが、蛇でした。
「わたしは由緒正しき中国の蛇だが、おまえさんはどこの生まれの蛇だね」
と女禍が聞くので、
「わたしは縄文の蛇です」
と答えると、女禍はそれ以上は何も追求してこず、
「縄文であるならよいのだが、するとそのうち、我が国の民といさかいの元になるかもしれない。これだけはいっておくが、弥生の民は我が民も同然と思っているぞ」
といいました。
「でも、縄文も弥生もわたしの国の民ですし」
というと、女禍はそれ以上は何もいいませんでした。
まあ、同じ蛇神ですからね。
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