ダイイングメッセージ

умирающее сообщение

あ、わかったー！

ん？ちっとも、わからん

ええ？なんで～？超簡単じゃん！

テレビでは、およそ、人生には全く不要と思われる謎解きのクイズ番組をやっている

どうやら、☆だとか、＃だとか、％だとかの記号の配列で、ある規則性を見出して答えを導き出すものらしいが、彼女は、出題の絵を見てすぐに答えが分かったようだ

俺の方は、こういう手合いはからっきしだめなので、出題の絵を見て３秒も経たずに考えるのをやめたのだが、その途端に、彼女が、わかったー！なんて言うから、悔しくなって再び考えるものの、やっぱり、諦めて答えを待った

で、答えを見たところで、それが分からなかった自分を情けないとは思わず、その答えをすぐに見出した彼女のことを思った

こんな訳の分からない謎解きがすぐに分かるというのに、なぜに、俺の想いを分かってくれないのか

否、もしかして、分かっていながら、分からないふりをしているだけなのかもしれない

さっき、シャワーを浴びた後に、下着とストッキングだけを身に付けただけで携帯を見ていたのも、その綺麗な立ち姿を俺に眺めさせて欲情させたかった君の計算があったのかもしれない

いや、それはいくらなんでも考え過ぎか

推理もののアニメに時折、出てくるダイイングメッセージ

あんなのも、俺にすれば茶番もいいところだと思っている

犯人は〇〇、と書きゃいいものの、わざわざ、分かりにくいメッセージを残す

犯人に知られないように、なんていう人もいるかもしれないけれど、俺が犯人なら、どんなメッセージでも足で踏み消してから去る

犯人が立ち去ってからメッセージを残すなら、犯人はもういないんだから名前を直接残す

大体、瀕死な状態だというのに、よくもまあ、謎解き要素込みのメッセージを残せるものだ

漫然とテレビを観ていたって謎が解けない俺は、瀕死の状態で、謎解き込みのメッセージを残せるだろうか

いやいや　こんな俺が残すメッセージでは冤罪になりかねないから、やっぱり、やめておいたほうが無難だ