第4話

昼休みのチャイムが鳴り響き、寝ていた私はその音で目を覚ます。


やった!昼休みー

チャイムと同時に机の上の教科書と筆箱を片付ける。

まだ、先生は授業をしてるけど…


そして、授業が終わって、お弁当の時間。

いつも通り、クラスで一番仲のいいひなと机をくっつけて食べる。


「卵焼きはもらったー」


「もーー!じゃあ、唐揚げもーらい」


そうして、わちゃわちゃする。


「高見さん、ちょっといい?」


私の横に3人、女子生徒がくる。

うちの高校は胸ポケットの校章の刺繍で学年が分かるようになっている。

この人達は赤だから3年生だ。

そして、他の人に聞こえないよう小さな声で言った。


「遥人くんとどういう関係なの?

付き合ってるの?」


「全然そんな事ないですよ!ただの、幼馴染ですよ!」


「あー、そうなんだ。

ありがとう!

すっごいベタベタしてるから彼女かと思ったよ。」


そう言って、私たちのクラスから出て行った。


あの人、遥人こと好きなんだ。

まあ、アイツは学校では猫かぶって良いやつぶってるもんなぁ。

わたしにイジワルばっかしてくる悪ガキのくせに。

あと、最後の一言絶対イヤミだ。


「あの先輩だれ?」


ひなが聞いてくる。


「遥人ってテニス部でしょ。で、マネージャーとその取り巻きって感じかな。」


「へー、唯ったらただの幼馴染の部活のマネージャーまで知ってるんだー

よく見てるねーー。」


ムカつくーー

めっちゃニヤニヤしながら言ってるし


「うんうん、知ってるよ。帰り道にまるで好きな子がテニスコートにいるのかなぁーってくらいじっーとみてますものね。そして、視線の先には、、、

ただの幼馴染ぃー!」


ムカついた私はひなのお弁当からカニカマをさらう。


「あーーーー

私のカニカマーー最後までとってるのに!

好きなの分かってるのにとるなんて!

この泥棒猫め」


そして、私の卵焼きがうばわれる。


「今日の卵焼き、全部ひながとったんだけどー」


「だって、唯の卵焼き美味しいもん。

た、だ、の、幼馴染で怒らないでよねーー」


そうだよ。


ただの幼馴染なんだよ。


昔から。


近いようで遠くて、手の届かない距離。

この距離が、なかなか越えられないんだなあ。

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