大人から子供達へ、心をこめた贈り物

枕返し

第1話

「では、最後に先生から一言、お願いします。」

「えー、・・・・・・皆の若い力で・・・・・・新しい風を・・・・自分の個性を大事に・・・・・・色々なことに挑戦して・・・・・期待しています。」



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「やっぱ大人ってバカだよな。」

「俺たちの事何にもわかってないくせに偉ぶってんのウケる。そのクセ若者に媚びるのに精いっぱいなのマジ哀れだわ。」

「同じようになれって教育受けて量産されような奴等だかんね。どうせ私らの感覚とか理解できないんしょ。」

「俺等の世代が本気だしたらバカな老害共なんて一掃しちゃうんじゃね?」


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「はぁ、ホント気が重いっスわ。俺等、嘘ついてるみたいじゃないッスか。」

「慣れろ。そういうものだってな。」

「俺はそこまで割り切れないっスよ。俺、これでも結構熱い気持ちだったんスから。」

「そんなの俺もだよ。」

「はぁー、そういうのなかったら、こんな悩まないんでしょうね。だって個性っスよ?個性。・・・なんじゃそら。」

「個性の尊重。自分の個性を大事に。全く間違っているとは思わん。」

「いや、お前の唯一無二の個性、5年前の佐々木と丸かぶりだかんな?佐々木も全く同じこと言ってたかんな?今はお前たちの言うところの下らねぇ大人だけども。とか言いたくなりません?」

「そういうことは言うな。普段から口にしていると何気ない時に態度で出てしまうものだ。」

「変とか浮いてるってことを個性と履き違えてる奴とかも、見ててイタイんスよね。」

「そういう事を実体験として経ることも勉強だ。そうして個性が磨かれていくんだ。」

「同じことして違う人間になりますかね?だって自分の感性を第一にって内面まで同じなんですよ?これならむしろ影薄い奴等の方がヤベぇもん持ってる気ぃしますわ。ってかあいつら十把一絡げに大人の事バカにしてません?お前の未来が俺ぞ、お前は過去の自分より劣っとるんか?大人になるってそういうことやぞって言いたくなりますわ。」

「そう言うな。お前はもう少し自分の仕事に誇りを持てよ。考え方によっては子供たちに幸せな夢を与えているとも言えるんだぞ。そう考えればこんな素敵な仕事はない。」

「どういう意味っスか?」

「現実を直視した時、馬車馬のように働いている時、そういう時に自分の人生の頂点は学生時代だったと、若いころは楽しかったと、それが心の拠り所になるように楽しい思い出を、夢を見させてあげるのがこの仕事だ。夢を与える。やりがいがあるとは思えんか?」

「うーわ、やっぱ先輩の方がよっぽどキてますね。物は言いようってか、嘘つき通り越してまるで詐欺師っスわ。そんなん夢っつーか最早呪いじゃないっスか、こえーこえー。」

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大人から子供達へ、心をこめた贈り物 枕返し @makuragaesi

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