⑧
それを女は、居なくなって欲しくない一心で、必死に繋ぎとめようとしているように見えた。
そんな女の態度に段々と苛立ちを募らせてきたのか、彼女の声が、どんどん大きくなっていく。
ーああ、嫌だ。
それ以上は、やめて。
その先を、私に見せないで。
だが、そんな私の願いなど届くはずもなく、映像はゆっくりと、それでいて確実に、進んでいく。
止めることも、変えることも叶わず。
当たり前だ。
この物語を選んだのは、他でもない、私自身なのだから。
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