12/31 2022年総括・2023展望

2022年も残り何時間かというところになってきましたが、みなさんはいかがだったでしょうか。

僕は文筆に限って言えば、表に出たものは割と少なかったのでやや不満でした。

成果物だぞと言えるのはウェブマガジン『matotte.』8月号に掲載されたSF短編「あえかなるあなたの不在」(https://booth.pm/zh-cn/items/4120162)

ぐらいで、もっとも長編書きだから仕方ないのだが、もう少し頑張っていきたいところ。

一方で10月に10万字ほどの百合――より正確に言えば女性の連帯性――を描いた長編を作ったが(おそらくこの記事を見る方の中にチェックしていただいた方がいらっしゃると思う、その節はありがとうございました)これはすぐに書籍になる性質のものではないので、うまくいくと2023年中にものになればいいなぁという気持ちであります。


あとこれは半プライベートだが、作家間でネット上だけでなく直接に話をさせていただくことが増えて、様々勉強になり大変ありがたかった。それぞれの見え方や書き方、意識、着想etc、摂取させていただくたびに頑張ろうと思える。今後とも声をかけさせていただくので、お時間ある方はなにとぞよろしくお願いします。


技術的には「あえかなる~」で抑制的な二人称をやって、秋の原稿では抑制的な三人称をやって、と安易な一人称とウェットな表現からの脱却が出来つつある気がする。コントロールされたものではいけないという見方もあるが、僕の書き方では暴れるのは一瞬でよくて、ドライに冷静に書く――もちろん人物自体にはしっかり沿ってエモーショナルに描くが――意識を持ったほうが良さそうだなという感覚がある。これは今後とも磨きたい部分。


以下2023年について。

2月に発売日が決まった百合文芸誌『零合』に「嘘^n」(読み方はn乗目の嘘。もっとも「嘘のn乗」と読まれても差し支えはないが)が掲載予定だ。

現代劇(正確に言えば2008年頃なので「今、ここ」としての現代ではないが)でエンタメ寄りの百合。ライト文芸ぐらいのトーンかもしれない。零合は文芸の色がそれなりに濃いので、僕はライトノベル出身として幅を持たせる立場になっているのではと思う。

ジャンルとしてはハードボイルドかサスペンスかそのあたりになるかと思うが、正味自分で分類できないのでふわっとした感じに受け取っていただけるとありがたい。2021年にまあまあ痛い目を見せられた「嘘」が大枠のテーマになる。意識の流れ技法を応用してみたので、どう文体が変わったか、同時に主人公がどう変わっていくかに注目していただけると分析しやすいかなと思う。


その他目標としては長編を3本ぐらい書きたいなぁという感じ。これは完全に願望で、今はプロットをひとつ作ろうとして呻吟している。3本ということは4ヶ月に異本で、4・8・12にそれぞれ締め切りがあると考えるとまあまあしんどいが、今後戦っていくための体力をつけたいところ。


ともあれまずは『零合』の予定が決まっていることがありがたい。「嘘^n」のライナーノーツと雑誌制作秘話、今後出る情報に含まれてくるところは、情報解禁後か発売日あたりに書き残したいと思う。


それでは、来る2023年がみなさんにとってよい年でありますように!


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