アリアの過ち エピローグ
ミクリは離れた場所で待っていました。
そこへ落ち着きを取り戻したアリアがやって来ます。
「もう大丈夫です。御心配おかけしました」
「よし、じゃあ行こうか。私達はお嬢様を取り返して、喧嘩の借りを返さなきゃいけないんだから」
「ええ、もちろんです」
ミクリは目を覚ましました。
◇ ◇ ◇
その頃、アズサは病室の外にいました。
「こっちです。ごめんなさい、ミクリが突然暴れ出して、ナースコールも壊しちゃって――」
看護師を連れてミクリがいる病室へ戻っています。
先程、アズサに対して一通り説明を終えたアリアは……。
「という訳で私も眠ります。ミクリを魔法で眠らせてしまうと私にも影響があるものですから」
その場でバタリと倒れると、光の粒子になってミクリの身体に吸い込まれていったのです。
アズサは慌てます。
「え、ちょっと! どうすれば良いの!?」
そんな事があってとりあえず看護師を呼びに行くことにしたのです――。
アズサは病室の扉の前で深呼吸をしてから看護師へ合図を送ります。
「またミクリが暴れるかもしれないので、せーので開けますから」
「分かりました」
「せーの!」
そして病室の扉を開けると……。
室内の窓が開いていて、ミクリの姿はありません。
「って、いねーし!!」
アズサは思わず声を上げました。
◇ ◇ ◇
やはり屋敷は朽ちていました。
あちこちに瓦礫が多いのはエデンの信者に好き放題荒らされたから……。
警察や検察の現場検証もまだ完全には終わっていない様子。
大切な従業員を殺害された無念さを噛みしめるように旦那様は呟きます。
「くそ、奴らは必ず叩き潰す……」
マザーをハッキングする為にここへ来たと旦那様は言いますが、側近は疑問を呈します。
「一体、ここで何をなさるおつもりですか? 現場検証の方々もまだ引き上げていないようですし、屋敷に入るのは厳しいかと……」
「ああ、用があるのはこっちだ」
それは広大な庭の
旦那様は厳重なロックを外して扉を開くのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます