8歳 貴族学校①

8歳になり2年生になった。


2年生からは体術と選択授業の項目が増える。この国の貴族の役目の一つとして国・国民を守ることが義務とされている。そのため貴族学校では鑑定結果にちなんだ選択制の授業がある。魔法使いは魔法の授業、戦闘系は戦闘の授業、文系はそれぞれの授業が用意されてある。


2年生も水の日は運動系の授業でかためられている。


体術の授業は1年目よりも対人戦に強化されている。と言っても8歳児なので型や受け身を中心に基礎からしっかりと教えてくれる。自分の身を守るためなので皆サボらずにちゃんと授業を受けている。


護身術の授業。守る、逃げるを色々なケースをまじいて教えてもらう。この授業は一年掛けてロールプレイをしながら体に染み込ませていく。医術は、昨年の座学を踏まえて実際に薬草を使いながら簡単な鎮痛剤や切り傷の治療薬を作っていく。戦場ではこういう基礎知識が生存率を上げると教え込まれる。


選択授業は勿論、魔法学。


魔法学は同学年で魔法が使えるマリーヌ嬢と私だけ。


講師は魔術師団から水魔法使いのサバスさんと土魔法使いのガザルの2人がきている。普段から魔術師団へ修行に行ってるマリーヌは顔見知りのようだ。


「はじめまして、リゼル・クリムロードです。今日からよろしくおねがいします」


初対面の2人に挨拶をする。


「はじめまして、リゼル卿。リードからよく話は聞いているよ。水魔法使いのサバス、こちらこそよろしく」


フランクに話してくれるサバス、彼は子爵家の長男で現在はラキル兄さんと同じように修行中のようだ。リードと同じくらいの身長で筋肉質、水魔法使いは全員こうなのか?と思ってしまう。


「お初にお目にかかります。土魔法使いのガザルです」


「ガザルは職人気質だから無口ではないけど寡黙なんだよ。こう見えても昨日からリゼル卿に会えるのを楽しみにしてたんだよ。慣れるとわかりやすいからね」


余計なことは言うなとサバスにツッコミを入れるガザル。悪い人ではなさそうだ。


「マリーヌ嬢は普段からあってるから挨拶はいいね。今日からしばらく2人で土魔法と水魔法を教えます。リゼル卿にはリードとロンザが苦手そうな分野の魔法を教える予定です。水魔法と土魔法は火・風魔法と違って術者の個性が出やすい魔法なんだ。2人にわかりやすいように説明するね。


水魔法はマナ量の消費が多い、規模を大きくすれば大量のマナが必要になる。土魔法は個性が出やすい魔法で地面の土を扱うのが得意な人、土を扱うのが得意な人など人それぞれって感じかな?」


「ロンザは地面を扱うのが得意。私は土を扱うのが得意。見本見せる」


「アースボール」土の弾がガザルの周りをクルクルと回る。


「アースバレッド」クルクルと回っていた土の弾が壁に向かって放たれる。


「土魔法はこういう感じかな?専門外だから余りわからないんだけどね。今日は知らない魔法があったら教えていく予定、初級魔法を順番に見せていくから知らない魔法があったら言って欲しい」


私が知らない魔法は、水魔法の「ミスト」と先ほど見せもらった「アースボール」と「アースバレッド」を教えてもらった。


「うん、すぐに習得するところが神童だよね。水魔法って結構難しいんだよ〜」


「土魔法も難しい」


「今日はこれから土魔法のウォールを使って防御方法を覚えていこう。まずはきちんと自分を守ること、これは基本中の基本になるからね。攻撃魔法はその後からでも遅くないからね、マリーヌ嬢」


「もぉ〜サバス先生ったら!!」


マリーヌ嬢は攻撃魔法が好きなようだ。


サバスとガザルの授業が本格的に始まる。

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