7歳 ダンジョン攻略⑥

10階への階段を降りる。


広い空間の中央に扉がある。ボス部屋だ。


10階のボス部屋は中が見えないようになっている。どんなモンスターが中にいるか様子も見れない。9階への階段は先ほどとは違い、階段は塞がれていない。


「少し休憩しよう」僕が皆に切り出す。


一息ついたところで、ボス部屋の中へ入る。


ディーが心配そうに私の手を握る。以前のように突然消えないか不安そうにしている。


「ディー大丈夫だったよ、私はちゃんといるよ」


「良かったわ、前みたく居なくなるか心配だったもん」


ボス部屋は天井の高い広い空間。野性味あふれる匂いが鼻孔を刺す。


「モオオ〜!!」


奥から遠吠えが聞こえる。モンスターの唸り声だ。


奥にいるのは高さ3メートルもある牛の顔をした人型のモンスターが立っている。


「ミノタウロスだ!みんな、用意!」


こちらに気づいたミノタウロスは、奥から大きな斧を担ぎながら走り出して来る、振動で地面が揺れる。


「“ノーム” 地面を隆起させてミノタウロスを転ばせて」「ウォール」


それぞれが一斉に動き出す。走り込むミノタウロスの前に地面が隆起し、足がもつれたミノタウロスがよろけだす。


「転ばせれば高さは関係ない、足元を狙って!」


「わたしが!アクセルウィンド!」オリビアが両足に風魔法を付与する。


「”シルフ”オリビアを加速させて」


女性2人の息の合ったコンビネーションで加速したオリビアがミノタウロスの足を切り裂く。ミノタウロスはその巨体を地面にぶつける。


「今が勝機だ!みんな行くよ!顔を狙って!!」


私が指示を出すと一斉に皆、顔を目掛けて魔法を放ち出す。


「ウォーターバレット」


リードはミノタウロスの目を水の散弾が狙う。


「ストーンハンマー」


ロンザはミノタウロスの鼻を巨大な石のハンマーが狙う。


「”サラマンダー” 口の中に炎を!」


ディーはミノタウロスの口の周りを炎が狙う。


皆の魔法が次々に被弾する。目・鼻・口に攻撃されたミノタウロスは目を潰され、呼吸ができずのたうち回る。


私はその隙にマナをいつもより練り込む。


「精霊達、私に力を貸して」


“ノーム”私の前に土の槍を作って”


“シルフ”槍を浮かべて回転させて


“ウンディーネ”槍に水を纏わせ


回転している湿った土の槍を急速に凍らせる。マナを使い槍を操作しミノタウロスの首を狙う。


「アイススピア」


ミノタウロスの首に凍った槍が貫通し、呼吸が出来ずに苦しみ始める。


“サラマンダー”力を貸して炎の槍に力を加えて


「二重詠唱 フレイムランス」


首に貫通した槍を狙う。喉元に巨大な炎の槍が突き刺さる。


ミノタウロスの喉から大量の血液が流れ出し即死した。


「リゼルやったね!ボスモンスター倒したわよー」


「氷の槍とは凄まじい破壊力でしたね」


「えげつないな…敵ながら可哀想だわ〜」


「リゼル様、流石です!!賢者の魔法、感動しました!」


「新しい魔法カッコよかったです!氷の槍魔法カッコいいです!!」


「みんな、怪我はないね?流石にこの大きさのモンスターだと一撃では倒せなかったね」


「ミノタウロスなんて初めて見ました。軍隊が出て排除した記録が過去の文献に載っているくらいのモンスターです」


「リゼル、宝箱あっちにあるわよ〜見てみましょう〜きっと凄いお宝入ってるんじゃない〜?」


水を飲みながら休憩し終え、宝箱の前に全員で集合。


「罠があると困るから、みんな少し離れてね」


宝箱を開けると…そこは蒼白な空間で私だけがいる•••


「ここでこのパターンか!? モンスターはいるのか!?」


周りを見回してもモンスターはいない。中央部分に宝箱が置いてある…


「宝箱を開けないと進展しない流れだな…」


私は宝箱を開ける…


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