7歳 王都生活⑩
「今日一日一緒に行動してみて、どうでしたか?」
「凄かったの一言です。わたしを是非加えてください」
「わかりました。毎回ギルドに依頼を出せば良いですか?」
「いえ、わたしとしてはリゼル様の家臣に加えていただきたい所存です。冒険者に未練はありません。賢者様の騎士となるのが子供の頃からの夢でしたから。一つだけお願いがあるのですが」
「はい。私としても人柄も良いですし、みんなの反対もありませんから家臣になってくれるなら嬉しいです。お願い事とはなんでしょうか?」
「いずれ、リゼル様が騎士団を持たれるようになったら、わたしを一番最初の騎士に任命して下さい。最初の家臣はお二人がいらっしゃいますので、わたしが最初の騎士になりたいのです、ここだけは譲れません」
「わかりました。将来はどうなるかはわかりませんがオリビアさんを最初の騎士に任命することをお約束します」
「ありがとうございます。わたしの夢が叶えそうです」
涙ぐみながら感謝の言葉を伝えてくる。
「良かったわねオリビア、夢が叶えられそうで♪」
「これからは同じ家臣としてよろしくお願いしますオリビア殿」
「よろしくなオリビア!ちなみに最初の家臣は俺たちだからな!最初の従士はクリスおまえだぞ!」
「オリビアさん、よろしくお願いします。最初の従士のクリスです!」
みんな笑いながらオリビオを歓待する。本当に良い仲間たちだ。その晩は歓迎会となり、屋敷の温泉に驚かされるオリビアであった。
翌日から予定を組み直す。
当面はクリスの体力をつけるため、学校が終わってからロンザが付きっきりで修行している。2人で日帰りダンジョンによく行っているみたいだ。
ディーとオリビアは2人で練習をしたり、メイドをつれて街に出たりと楽しそうに過ごしている。
真面目なリードは風魔法の文献を読むために図書館によく足を運んでいる。オリビアに合わせる魔法を探している。
私は拡張され続けている領についてフォークさんと話し合う。
「リゼル様たちのおかげで農地も拡大されております。それに伴い移住者の受け入れも以前より加速しております。生産量が増え始めるのは翌年以降になりますので、来期以降の収入の増大が見込めます。余裕ができてきたのでそろそろ領内の特産品開発に目を向けられてもよろしいかと思います。」
「そうですね、私も考えておりました。いくつかアイデアがあるので聞いて欲しいです」
「まず、領で運営する事業を作ります。私が予算を収入から数年出します。足りなければ父上から借りてきます。一つ目が汚物の汲取•飼料作成部門、二つ目が魚の養殖、三つ目が牛と豚と鶏の研究部門。これを領営にします。」
まずは江戸時代の糞尿リサイクルで堆肥作りである。この世界のトイレ問題を解決したかった•••やっと手をつけられる。次に肉骨粉の作成。狂牛病問題があるから豚と鶏と魚から飼料を作り、農業と養殖に使える。
人が嫌がる仕事•••3Kだから私の管轄にして給料を良くしてあげたい。役に立つ仕事だと理解され始めれば人気職に将来なるだろう。
次に淡水魚の養殖。魚食べたい•••でも不味い•••なら作ろう!幸いにも発掘することに関しては私はスペシャリストだ。水源となる泉を掘り出して、養殖用スペースを作成する。餌となる肉や野菜、肉骨粉もある、排出する水はリンを含んでいるから農業水として利用できる。綺麗な水と美味しい餌!きっと美味しい淡水魚が養殖されるはず•••いや、させる!!
三つ目はブラント牛、豚、鶏の作成。私には畜産の知識はない、せいぜい美味しい野菜を食べさせました、お酒を使いました程度。色々と実験をして美味しい肉の作成、セージブラント肉だ。
「この計画で出来上がったもので料理を作ります。新しくできた王国法で料理の権利を取得します。私が公認した料理店でなければ料理は出せないようにします。つまりはブランド化です。リゼル領でなければ味わえない料理、この村のコンセプトは温泉とグルメの村!!食欲と癒しです!!」
熱くプレゼンをする私に若干引き気味なフォークであった。
“私の物語にリゾート村が加わる”
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