7歳 王都生活⑦

奴隷商は想像していた建物とは違い大きく清潔感がある、まったく逆のものを想像していた。


フォークさんに連れられ中へと入っていく。

そこには30代の白い服を来た長身の男性が私たちを待ち受けていてくれる。


「ようこそ、賢者様。私めは商人のスバルと申します、以降お見知り置きを」


「どうして私のことがわかったのですか?名前をまだ言ってないのに」


「私め共は情報が商売になります、賢者様のことは商人の間では常日頃から噂は流れておりますゆえ」


「商人の情報網は凄いですね。今後参考にさせていただきます」


「本日は当商会へ、どのような人物をお探しでしょうか? 賢者様のお目にかかる人材はここにはいないかと」


「戦闘経験がある人がいればと思いまして」


「はて? 戦奴隷ですか?あいにく、ここにはおりません。理由など差し支えなければお聞かせ願えれば」


「大した理由はないんです、領地の拡張の際に防衛ができる人間が多く必要になりそうだと判断したためです。まだ家臣団もきちんと整備されていないので将来的に奴隷も候補として考えておこうという考えですね」


「なるほど、そのような理由でしたか…では戦奴隷が入りましたらご連絡いたしますので、またご贔屓にしてください」


奴隷商を出て屋敷へと戻る。


「商人の情報網って凄いですね?私だと気づかれてましたね」


「リゼル様の場合は少々特殊ですから。奴隷商に入る子供の貴族はいませんし、見目が良い時点でリゼル様だと勘の良い商人であれば気づくはずです。それより戦奴隷の理由を変えられたほうが気になりましたが」


「なるほど、私じゃなくても褒め言葉として使うわけですか…商人も抜け目ないですね。私がダンジョンに入る理由を次に聞かれると思ってね、慌てて適当に理由付けしたよ」


「流石はリゼル様ですね。それで良かったと思います」


「まずは明日、ギルドの依頼を達成してパーティーレベルを上げてくるね、中級ダンジョンに入ってから考えることにする。賢者様の試練がダンジョンにありそうな気もするからね」


翌日、学校が終わったあとに目立たぬ格好で村へ向かい狼駆除をする。取り急ぎこれで依頼は達成、週末には中級ダンジョンに挑むことが出来るようになった。


依頼を受けてくれる冒険者がいてくれればよいが…

私は仕事を貯めないように平日は政務をしっかりと行う。


クリスはダンジョン以来、盾を持ちながら槍を扱う練習をアラン兵士長と訓練する日々。


ディーはマイペースなのでフラフラしてる、


リードとロンザは魔法の修行に勤しんでいる


金の日、授業が終わった後に依頼を受けてくれる冒険者がいるかを買い物ついでに確認をしに行く。


「ようこそ冒険者ギルドへ、リゼル様。受付のミリアが担当いたします」


「こんにちわ、ミリアさん。私の依頼を受けてくれる冒険者はいらっしゃいましたか?」


「はい、ソロ冒険者の方が興味を持ってくれました。明日の朝にギルドの方に来る予定です」


「え!?本当ですか? どんな方ですか??」


「女性のソロ冒険者です。明日お会いすればおわかりになります…やや性格に難がある方なので…」


「そ…そうですか。楽しみにしてます。ではまた明日きますね」


明日、ソロ冒険者と会うことになった。ミリアさんのリアクションが気になるけど大丈夫かな??

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