7歳 王都生活⑥
クリスを連れてのダンジョンはロンザがフォローしてくれたおかげで怪我もなくクリアできた。初代賢者様の試練は今回はでなかった、中級か未踏破ダンジョンで試練があるかもしれない。まずは昨日のダンジョンの戦利品をギルドで精算しに行こう、パーティーレベルを上げるにはどのくらい足りないかも確認する必要もある。
中級ダンジョンの場合、クリスは体力がまだ足りないから置いていくことになるんだよな…よくよく考えると私たち魔法使いばかりで前を守る人がいない。前はマクベスがいたから安心できたけど、忙しいアランを連れ回すわけにも行かない…何か良いアイデアないかな?
「フォークさん、前衛を張れる人の知り合いいませんか?」私は事情を説明した。
「なかなか難しいですね。マクベス殿は元騎士団ですから実力もありますからクリムロード卿も安心されてたと思います。騎士団クラスとなると中々…守秘義務を守れる冒険者を雇うか、仲間に入れるか、男爵家で雇うか、戦闘奴隷を購入するかが選択肢だと思われます、メリットとデメリットもありますのでご説明します」
「冒険者の場合は信用度が低いです、信用度が高い冒険者はランクが高いためパーティーで動いていることが多いです。ソロ活動されてる高レベルで口が堅い冒険者は中々に少ないと思います。ギルドに相談してみるしか方法がないです。2つ目で男爵家で募集することです、王国騎士団に他家の影響がない騎士で当家へ移籍しても良い騎士がいるかを尋ねてみます。この条件ですとすぐには見つからない可能性があります。最後に戦争奴隷を購入する方法です。王国でも少なからず奴隷商は存在はします、他国の戦争奴隷や借金奴隷を取り扱っております。王国の法律では奴隷は原則禁止となっておりますが、条件次第で奴隷を雇う契約が可能です」
「なるほど、将来的なことも含めると騎士団へ条件が合いそうな人がいたら引き抜いて下さい。フォークさんのさじ加減で予算が許す人数で構いません、騎士はいずれ必要になりますから。冒険者ギルドは後で行くのでその際に聞いてみます。奴隷はどうなんでしょう?僕は見たことがないので見当が付きません」
「では、私の方で騎士団へ依頼をしてまいります。奴隷に関しては私もなんとも言えない部分がありますので一度見に行かれるのも後学になるかと思います。その際はイワン執事長と私が一緒についていきます」
「そうして下さい。冒険者ギルドで良い結果がなかった場合は、奴隷商を見に行きます」
私はフォークさんにそう伝え、冒険者ギルドへと向かう。
「ようこそ冒険者ギルドへ。本日の御用は何でございましょうか? 受付のミリアが担当いたします」
「昨日、初級ダンジョンをクリアしたので納品をお願いします。他にも頼み事があるのでよろしいですか?」
「一日でクリアされたのですか!?…かしこまりました、あちらの受取りコーナーでお願いします。頼みとは一体何でしょうか?」
「中級ダンジョンをクリアしたいので前衛役の冒険者を探しています。普段ソロで活動されてる冒険者で秘密保持がしっかりと出来る方はいらっしゃいますか?」
「ソロの冒険者ですか…いるにはいますが条件が難しい方です。ご依頼されていきますか?」
「依頼としてお願いします。次にパーティーレベルをDランクに上げるにはどうすればよいですか?」
「お急ぎですか?お急ぎであれば討伐依頼をこなしてもらえればリゼル様以外のメンバーがランクアップしますのでパーティーレベルはあがります」
「では、その依頼を受けます。どんな依頼ですか?」
「王都から一時間ほど離れた村からの依頼です。まだ被害が出ていないため派兵がされていない状態です。村の近くの森に狼の群れができているらしく駆除依頼です。危険度の割に報酬が安いため、他の冒険者が受注されない案件なので依頼を受けていただければ助かります」
「その依頼を受注します。明日にでもその村に向かいます」
換金をし終わり一旦、屋敷へと戻る。
次は、フォークさんとイワンの3人で奴隷商へ向かう。
後書き
王国法では奴隷制度は人材派遣・身請けに近いイメージです。雇用主が一括購入、雇用形態を決め毎月購入金額から給料分を減額していく契約、もちろん奴隷側も雇用形態を拒否することも可能、奴隷商は奴隷の借金に利益+経費を加えた分で販売する形式です。王国民が奴隷になることはありませんが他国の奴隷を救済する目的の制度です。
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