7歳 王都生活④
「パーテイー名はセージ・スプリングで!」
「リゼル、それってどういう意味なの〜?」
「古代語で賢者の泉という意味だよ。さすがに自分の名前を入れるのは恥ずかしいから…賢者と温泉からね…」
適当な言い訳を考えながら、それっぽいパーティー名を考える…とてもじゃないが他のは恥ずかしすぎる。
「セージ・スプリングですか…良い名前ですね。我ら家臣団の名前に使えますな」
「セージ・スプリング団のランザだ! クリス、どうだ?格好良いか?」
「ランザさん、格好良いです!!僕も名乗って良いですよね?」
意外に好評だ…中二病っぽいのに…心にそっと黒歴史の鍵を閉じたい気分だ。
「ではパーティー登録をしますので皆様のギルドカードをお出し下さい。ダンジョンの中に入る際に受付にパーティー名を記入していただければ大丈夫になります。現段階ですと、リゼル様がCランクで他の皆様はEとFランクですので、Eランク・パーティーとなります。ギルドへの貢献や依頼の達成率でランクが昇格しますので是非とも高ランクに昇格してください」
常設依頼の確認、ダンジョンの場所、MAPなどを購入して冒険者ギルドを出る。
「次の土の日に低級者ダンジョンに行ってみよう。中級者ダンジョンが気になるから低級者ダンジョンを攻略してレベルを上げてしまおう!」
「おー!!(一同)」
屋敷へ戻り書斎にて、フォークさんに今日の出来事を話す。
「家臣団の名前にセージ・スプリングですか…リゼル様はまだ成人前なので家名がございません、現在はクリムロード姓で問題はないのですが、兵士達は別になります。クリムロード家の名前では問題が起きる場面もございますのでセージ・スプリングの名前を使わせてもらってよろしいですか?」
「特に問題はありませんから、使ってもらって良いですよ」
「では、賢者の泉をイメージした家紋の候補もご用意いたします。屋敷で働いている使用人も家紋があることで意識がかわりますので」
「そういうものですか?」
「そういうものですね。外で用事を足す際に家紋があることで、リゼル様の屋敷で働いていることがステータスになります。きちんとした行動をしなければならないと使用人たちにも意識付けが今以上にできます。リゼル様が思っている以上に、この屋敷で働けることは爵位の継げない者や平民の憧れとなっておりますから」
「なるほど、家紋の効果は大事ですね。意識したことがなかったので気に止めてませんでした。領地にも家紋は役に立つのかな?」
「そうですね…良い商品を提供しているものなどにはリゼル様公認という扱いで家紋とは別のデザインを用意して使わせるのはどうでしょうか?」
「それは良いアイデアですね。そのアイデアを煮詰めましょう、家紋が出来上がるのが楽しみになってきました」
冒険者用のパーティー名からスタートしたこの名前が将来のセージ・ブランド立ち上げに繋がる。
”私の物語にセージ・ブランドが立ち上がった”
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