父様のお仕事

ある日、息子が温泉を掘ってきたと言い出した。そこから一年、我が領都は賢者ブームに伴い、観光地として人気が出始めている。リゼルはどんどん温泉施設の拡大をし始めている。予算も領運営を圧迫するほどでもなく、これから入るであろう収入を考え好きにやらせている。


ダンジョンに行った際は突然消えてしまい、賢者とは言え可愛い息子だ、俺は相当に動揺した。


結果的に無傷ではあったが初代様の試練はまたあるかもしれない、その時のことを考えリゼルの装備を購入することにした。良い機会なので領都の商人・職人にリゼルの防具を購入すると公示した。これで良い防具が手に入るだろう、親バカかも知れんが俺のできることはやってあげたい。


次に第2領都の政策を大きく変えることになった。


リゼルのお陰で温泉など観光目的で人が訪れる機会も増えるだろうと予想される。賢者ブームはこれからドンドン大きくなるであろうからケチらずドーンと予算をかけようと思う。


領都から定期運行の馬車、道中の安全性の確保・舗装、町の門も賢者の町アピールのために少し目立つように変更しよう。


やることは結構多いな…観光業だけでは心もとない、飽きられたら人は来なくなる…何かイベントを考えないとまずい。


リゼル達がフィールドアスレチックに超上級者用と言って凄い施設を魔法で作っていたな、職人たちが目を丸くしていたのを思い出す。この超上級者用を使って年に大会を開催するのだから大勢が見学できるよう観客席も作らせよう。賞品も豪華にして王国内でアピールをしよう、こういうのが好きな冒険者や貴族たちが大勢やってくるはずだ、そこで商人たちが物を売り出せば税収も入ってくるしな。あのサスケと言うリゼルが騒いでいた大会用施設は1回や2回の挑戦でとてもクリアできるとは思えんしな、ルールも決めなくてはならんな…俺一人では無理だな実行委員会を作って商人ギルドに丸投げしよう。


代官の話ではジムが人気が出ていると手紙に書かれていた。領民が運動をして健康になることは良いことだ、領都にも作ろう。


しかし、これは意味がわからない。手紙には鍛え上げられた体を見せ合うのが流行っていると…ポーズを決めて自慢の筋肉を見せ合うとは一体どんな様子なのだろう…人気が出るかわからんが需要があると見込んで筋肉を見せ合う大会を開催したら面白そうだな。一部の需要にはまるかもしれんしな…これも代官に丸投げで良いな。


次はリゼルの英雄譚を歌にするアイデアか。これは間違いなく人気が出るな!親バカと言われようが気にしない。人民はいつの時代も英雄を求めているのだ。いっそのことクリムロード領認定吟遊詩人制度にしよう。年に一回、リゼルの英雄譚を皆の前で競わせて人気投票にすれば祭りごとになるな。利権は発案者の冒険者ギルドに渡そう、アイデアもあっちが出してくれたことだしな。大雑把に草案を出して冒険者ギルドに丸投げしよう。


リゼルのアイデアでクリムロード家が運営する高級宿を作ったほうが良いと言っていたな。場所は選定しておいたからあとはリゼルの意見をまとめなくては…リゼルのアイデアでは美容効果があるマッサージ??をする、宿内に温泉を用意して高級感を出すと、ふむふむ。クリムロード領内の名物料理で楽しませ、高級感を演出して贅沢を堪能させると書いてあるな。中々、面白い試みだな、高級志向の貴族や噂好きの商人の利用が見込められるな。んー誰に任せようか…こういう人をおもてなすのは俺は得意ではないしな…セバスチャンがイワンに試練を与えて欲しいと言ってたな。よし!イワンにやらせてみよう。


残りは学校運営と運動場建設…今日はもうこれくらいにしておこう…


アリス、ワインの用意をしてくれ

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