5歳 お披露目会④
屋敷に戻り、父様に今日の出来事を相談する。
父様からは逆に明日の披露会の後の予定について相談される。
「マイン侯爵家には家名義で贈答品を送っておくから問題はない。よく対応できたな、偉いぞリゼル。まだ、リゼルの精霊魔法については公表していないからな…問題はマリーヌ嬢はリゼルと同い年だ、明日顔を合わせることになる。精霊魔法については誤魔化しておくように。
明日の披露会でリゼルとそのマリーヌ嬢が閣下より皆に説明がなされる。
「リゼルの件は、賢者であることを公表する。いつまでも隠し通すのは難しいという判断だ」
今年はタイミング良くそのマリーヌ嬢を二大魔法が使える。 女性天才魔法使いが現れたという風に発表をすることにした。 女性で二大属性の魔法を使えた者は王国に過去にいない、賢者の発表の注目を分散させることがこれでできる。
少し目立つが明日はうまく立ち振る舞ってくれ。親バカかもしれんがリゼルなら大丈夫だと安心している。」
「はい、父様わかりました。その後の予定というのは何でしょうか?」
「おぉそうであった。明日、国王との謁見が決まった。披露会のあとに晩餐会までの空いている時間に謁見する。私的な謁見になるから、そこまで緊張することはない、今の国王は賢王として有名なお方だ。賢者のリゼルに会ってみたいとご所望なのだ。宰相閣下からリゼルの話は聞いているから質問されても何を答えても問題はないぞ」
「父様、国王様に謁見するほうが緊張するのですが…私、次男の5歳なんですが…」
「ははは、温泉を掘って領民から喝采を浴びる5歳児など王国中探してもおらんから大丈夫だ!俺もいる、ディー殿も連れてくるよう言われてるから、顔見知りだらけだ!」
「ディーもですか!?父様、胃が非常に痛いです…明日お休みすることは可能でしょうか…」
「ズル休みは駄目だ、却下だ!ははは」
笑顔の父様、渋い顔の私…明日が憂鬱だ…
自室へ戻る。
気分転換に今日購入してきた賢者の本を寝るまで読むぞと心に誓う。
早速日本語が書かれているページを開く。
日本語のページはこの国の文化や過去の戦闘の内容が書いている。日本人にわかりやすい戦記物と言った感じだ。日本語の最後のページの内容がこうなっている。
「ここまで読んでいるということは。私と同じようにこの世界へ来たものだろう。
私は賢者の能力を持っている。この世界では相当特殊な能力だ。
この本を読んでいる同胞の仲間はこの本は後世に伝わるように残してほしい。
次に賢者の能力を持っている者へ
・日本語で書いた本は紛失や消失することを考え何冊か残している。
・君のレベルにあった賢者の能力に役立つ内容が浮かび上がるようにしてある。
・賢者の能力があるものは、表紙に両手を重ね魔力を流してほしい。このページに続きが見られるようになっている。一度、魔力を流すとこの本の続きはもう出てこない。また本を探してもらいたい。
この世界に平和が訪れるよう賢者である君には頑張ってほしい。」
僕は本の表紙に両手を重ねて魔力を流す。
しばらくするとページに続きが浮かんできた。
”私の物語に新たな1ページが加わる”
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