5歳 お披露目会②
王都のクリムロード屋敷へ
今回は前回のメンバー+ディー、リード、ロンザで王都へ
「おかえりなさいませ、ご主人様」
前回同様、王都のメイドたちが出迎え入れてくれる。一糸乱れずの挨拶、いつ練習してるんだろう…
「リゼルよ、俺は一緒に、閣下と辺境伯殿のところに挨拶に行ってくる。明日の披露会のマナーをセバスチャンから復習してもらうように。そのあとは
ディー殿と一緒に王都を見て回ると良い、リードとロンザが一緒なら安全だろう。全員に小遣いを渡しておく、無駄遣いしないようにな。」
「やったー(ぜ)!」
ディーは王都が初めてで喜ぶ、ロンザは小遣いで喜ぶ、ため息が出るリード。
一年以上一緒にいると3人の反応がわかりやすくて笑ってしまう。
王都を探索するのは初めて、行きたい場所は本屋。
賢者について書いてある本を探すのが目的。リードが本好きなので行く場所は前もって選んでもらっている。
本に興味がないディーとロンザは近くの店をぶらつくと行って別行動で別れていった。
エルフ族のディーが不安だけど、大人だから大丈夫かな?
本屋を何軒かめぐる、賢者様の伝記以外の本は見当たらなかったが、魔法の新書を手に入れてリードはホクホク顔だ。
最後に古本屋の中に入ってみる。老婆が店の奥に座っている。
「あら、可愛らしいお客様だねぇ、貴族様の息子さんしら?いったい、こんな古本屋で何の本をお探しで?」
「はい、クリムロード家のリゼルと申します。賢者様に関連する本を探し歩いています、こちらにそういう本はありますか?」
「小さいのに賢者様の本を探すなんて珍しいわね。ちょっと待っててくださいね、お出ししますので。」
3冊の本を持ってきてくれた。2冊は伝記関係の本、1冊はとても古い本。
「この古い本を少し見させてもらって良いですか?」
「あら、そんな古い本を?その本は売れずにずっと残っている本なのよ、途中から読めない文字のページが出てくるのよ」
読めない文字のページを開く、そこで目にしたのは5年ぶりに見た文字だ。
(日本語で書かれている!? 驚く表情を出さないよう我慢する。 これはここで読んだらまずい!?買って帰って後で読まないと駄目だ)
「お婆さん、この本を買っても問題ないですか? 何書いているかわからないですけど、賢者様の本を集めてるので売ってくれると嬉しいです。」
「ここにあるものは売り物だから問題ないわよ、不思議ねその本があなたに買われて嬉しそうな気がするわ」
にこやかな老婆の笑顔を後に店を出る。
”私の物語に賢者の本シリーズが加わる。
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