第4話 お家デート

「寧々猫ちゃん。いらっしゃい」その言葉と

同時に小学生とは思えないほどのお洒落な彼女が

ドアを開けて入ってきた。僕は緊張のあまり、口をパクパクしている。

両親は彼女が家に来て気を遣ったのか、買い物へいく様である。

つまり二人だけの空間を楽しみなさい。さすがと言える。

小学生の僕達が二人でやるとしたらゲームぐらいだろう。

二人は恋愛ファンタジーゲーム【夏の王都・王女奪還クエスト】というゲームを

ロールプレイングで2人でする事にした。VRメガネを付けていざ出発。

主人公の僕は王都にいる彼女を助けに行く。今、助けに行くからね。

愛しの寧々猫。そんな甘い言葉を囁きながら手を繋いでプレイしている。

それからどのくらい経っただろうか。

両親の帰りが遅く、VRを外しても辺りは森だ。

状況が理解できず、やっとゲームの世界にいる事を認知した。

周りには川や畑、田舎らしい風景が広がっている。

現実世界とはまた違う清々しさだ。

主人公として取り込まれた僕は彼女を探しに行くことにした。

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