25年の思い出
@suinudalua
第1話逃げる兄妹
カタ カタ カタ
『おはよぉ~』
『やっほお ねぇ聞いて〜』
カタ カタ カタ
『お前もしかしてあいつのこと……』
『黙れ!馬鹿』
スタ スタ スタ スタ スタ
トン トン トン
スタ スタ スタ スタ スタ
ガチャ キィー バタン
妹が出ていったすきに俺は部屋から出て朝ごはんの乗ったプレートを自分の部屋に運んだ。
俺の面倒を唯一見てくれるたった1人の妹だ
母も父も兄でさえ俺のことは忘れてしまっているのではないかと思うぐらい俺には関わって来なかった
俺はいつものごとく妹が用意した朝ごはんを食べていた
最後の朝ごはんだとも知らずに
俺は今15歳 高校1年生だ
でも引きこもっている
毎日ゲームばっかりやっていて
学校には行っていない
そんな俺が朝のニュースを見ているとある1件の速報が入ってきた
【○○県○○市の住宅街で少女が1人車に引かれて意識不明の重体です少女の名はæ–‡å化】
その言葉は聞きたくなかった
心の底では誰だか分かっていたような気がしていたからだ
やっぱり妹とだった顔を見ただけで分かった
俺は家を飛び出した
玄関からじゃない2階のベランダからだ
足に来る衝撃は強かったがそんなこと気にしていられなかった
病院に着いた
妹の名前を言うと今集中治療室にいるそうだ信号無視した友達を庇うためトラックの前に飛び出したのだという
俺は何もしてやれなかった
妹は俺に色んなことをしてくれたというのに
それが悲しかった
自分が情けなかった
妹が家族の中で俺以外のやつにいじめられていることすら知っていたのに
そんなことを考えながら集中治療室の扉の前に座っていた俺はふと上を見上げると治療中の光が消えていることに気がついた
医者が出てきた
「どうなったんですか?妹は無事ですか?」
「はい…治ったは治ったんですが……自分から車の前に飛び出したみたいで友達も信号無視なんてしてないって」
耳を疑ったが一瞬で理解した
妹は家族からいじめられるのが嫌で死にたいぐらい嫌だったのだろうか
俺は妹と俺しかいない部屋で
妹の顔を眺めながらずっと思った
妹と2人で別の場所に逃げれたらな
義務教育以外の勉強を捨てた俺と義務教育中の妹2人で逃げることはむずかしそうだ
妹が目を覚ました虚ろな目をして俺の方を向きこう言った
「今日 何日?」
「27日」
俺は素っ気なく答えた
でも妹はこっちを向きにっこりした笑顔で言った
「お誕生日おめでとう」
自分でも気がついていなかった
誕生日だった11月27日
俺は家から出ることを決めた
妹が退院した
妹は家に帰るなり俺の部屋に入ってきた
「お兄ちゃん今何してるの?」
「小説書き」
ぶっきらぼうにしか答えれないのか俺はそう答えた
「どう?お金溜まった?」
「100万ちょい」
逃げることにした俺たちはお金を貯めていた
幸い妹の学費は父が払っている
「じゃあ逃げっか」
俺はバレないように家を出た
妹と一緒に
逃げた
大阪にいたのに……
今は長崎にいる
もう戻れない大阪
今は長崎で知り合ったおじいさんとおばあさんの家に住ましてもらっている
楽しく過ごしていた
あの夜までは……
パシャ パシャ
俺はスマホのシャッター音らしき音で目が覚めた俺の隣に寝ていたはずの妹とじいさんがいなかった
またこうだ
隣の部屋を見た時に俺は愕然とした
妹が裸でじいさんがその写真を撮っていた
「ロリの体はええのう」
その言葉を耳にするなり俺の殺意はムンムンと湧いてきて体が勝手に動くように
そのじいさんを殴っていた
「何してんだクソじじい」
じいさんは少し所ではなく数メートルほど吹っ飛んでいた
妹は泣いていた
父にされていた時のように
ただ泣くことしかできていなかった
ブルルルルルルルルルルルル
今は鹿児島の上ら辺をバイクで走っている
免許を持っていないからばれたら終わりだけど逃げるにはこうするしかなかった
「今どこ?」
「鹿児島の上の方」
「さつまいも食べれる?」
最近何も食べていなかったから妹の腹がなった
あの夜俺はあのじいさんが気絶したあとおばあさんにばれないようにバイクの鍵を盗って行った
だが俺の頭にはこんなことがよぎった
次の逃げた先にもまた同じことがあったら……
妹には服を着せばいくに乗って逃げた
そんなことを考えている暇なんてない今はただ逃げなければ
そんな思いで
家を出る時には100万ちょいあったお金が今は50万円ほどになってしまっている
コンビニで食べ物を買っていると大きな叫び声が聞こえてきた
バン バン
「おい 死にたくなければ金を出せ。全員だ」
今持っている金を取られると生活に関わる俺は妹と一緒にこっそりと窓側によった
そして窓側にある分厚いジャンプを盗っていると1人の女の子にしゃべりかけられた
「僕にもちょうだい」
俺はその言葉の通りその女の子にジャンプを渡すと俺の背中にジャンプを入れた
妹を前で抱え窓から飛び出た
パリン
「おい 待て」
バン
俺の背中を打たれた正確にいえば背中に隠していたじゃんぷに
スタ スタ
2つ着地音が聞こえた
1つ目は俺の着地音
2つ目は
後ろを振り返るとその音の正体が分かった
さっきの少女だった
「僕も連れてってくれる?」
そう言ってばいくの後ろに乗ってきた
前にも後ろにも女の子がいる
俺はちょっと恥ずかしかったが前が妹だったのでまだ良かったと思いながらそのまま走り去った
ガチャ バン
俺はバイクを道端に止めて
その少女に話を聞いた
「お前は何もんだ?」
「ええと……
こう見えて僕男で」
どう見ても少女にしか見えないその少年はそう言った
「こんな見た目だから……
学校でいじめられて家出してきたんだ」
「家族は?」
「いない……1年前にお父さんが死んでお母さんはどこかに行っちゃったんだ」
そんな暗い話を聞きながら俺はその辺の木の枝を集めたりしていた
カチッ ボウ
コンビニで買ったさつまいもを焚き火の中に入れた
「で……お前いくつだ」
俺はその少年にそう聞いた
「13です」
「そうか……」
妹も義務教育に通わせないと……
でも金がなぁ~
よし仕事探すか
妹と少年のために俺は仕事を探すことにした
ちなみみに芋は妹と少年がすべてたいらげた
翌日
俺は一切れの紙を少年に渡し仕事を探しにいった
仕事はすぐに見つかった バイトだけど……
前にコンビニ強盗にあったコンビニだった
強盗のせいで従業員が辞め経営があやうかったらしい
すぐに妹と少年のもとに帰った
「ねぇそこのかわいい子たち俺らと一緒に遊ばない?」
妹たちがなんぱされていた
少年の後ろに妹が隠れる形で
「やめてください……僕たち待ち合わせしているので」
「おっと僕っ子か でも僕っ子も嫌いじゃないよ」
「お待たせ」
そんないざこざの中俺は堂々と割って入った
「お前誰だ?調子乗ってんjy」
俺は黙らせるように右フックをそいつの腹にぶち込んだ
「調子に乗ってんのはお前じゃぼけぇ」
中学校に入っていたバトミントン部のスマッシュの容量と小学校の時に通っていた
空手教室のストレートの容量を使ってそいつをぶん殴った
ドサッ
そいつは気絶した
「今のうちに縛っとくか」
そう言ってそいつを木に巻き付けた」
「お兄ちゃん!」
「大丈夫か?」
俺はそう言って妹と少年に近寄った
「あぁ......怖かった」
少年はそう言って地面に座り込んだ
そんなこんなでその日の月が見え始めた
「なあ、学校行きたいか?」
俺は2人にそんな質問を投げかけた
「で……でも」
「また学校でいじめられるのが嫌なのか?」
「大丈夫、僕がついてるよ」
その少年は頼もしく言い張った 足をガクガクさせながら
「お前は女子のフリするか?」
「確かにそうした方がいいかもしれないですね 前みたいにまた男なのに女みたいな見た目だってことが理由でいじめられるかもしれないし」
「じゃ、服を買いに行っか」
俺はそう言ってミロンという大手ショッピングモールみたいな名前のしたショッピングモールに行くことにした
「わ〜似合ってる〜」
「そ そうかな〜?」
その少年は俺が惚れてしまいそうなくらい可愛い姿になっていた
「じゃあ次は制服だな」
そう言って入る予定の中学校の制服を売っている店に行った
「はい4万5000円で1着だから9万円でーす」
制服が高い!
俺はそんなこと思いながらも言い出せる訳もなく渋々購入してその店を出た
「なあ少年 お前誕生日いつだ?」
「僕の誕生日は7月2日です」
今日は2月13日明日は妹の誕生日だった
「じゃあ久しぶりに夜ご飯はレストランでも行くか」
俺はそう言って2人を引っ張ってレストラン街に入った
そこで飯を食って俺たちはミロンを後にした
その後俺たちは海の近くで眠りについたあいつのことを忘れて……
次の日、俺たちはある男の叫び声で目が覚めたなんだ?と辺りを見渡すと男が木に巻き付けられていた あっ……
あいつのこと忘れてた
俺はあいつの近くに寄っていって縄を外してやった
「ご…ご……ごめんなさーーーい」
そいつは逃げていった
まあ逃げてくれた方がありがたかったのでそれはそれでよしとしよう
俺はそのことに満足して妹たちのもとに戻った
「おーい2人とも朝だぞー って少年は起きてたのか」
「う…う〜ん おはよぉ〜」
「お誕生日おめでとう」
俺は起きたばっかの妹に、お祝いの言葉を投げかけた。
「ん…ありがと〜 って え?今日何日?」
「14日」
「ほんとだ〜」
妹は家を出た時とは比べものにならないぐらい元気になっていた。その日は妹のやりたいことをなんでもやらしてあげた。その後
「何が欲しい?」
と聞いてみたら妹は、
「2人の笑顔!」
と、妹は答えた 俺は良い妹を持ったな〜と思えた。
そして日にちを飛ばして4月……
俺たちは鹿児島のある中学校に向かっていた。
「さぁ今日は入学式だな」
「お兄さんは入学式をどこまで見るんですか?」
「最後までかな~」
「ちょっと恥ずかしいな~」
俺達は入学式の話題を話しながら学校に向かっていた。
「ねぇ あなた達どこから来たの?」
すると後ろからいきなり少女が話しかけてきた。
「あなた達のこと小学校では見なかったんだもん」
「実はな遠いところから引っ越してきたんだ」
俺がその少女に丁寧な口調で返した。
「ふーん あっそ ところでそこの女子二人、私の名前は下崎 音、あなた達は?」
俺のことをうっとおしいがるように、妹と少年に話しかけた。
「私は古谷 佳奈で……」
「ぼk 私が西本 葵です」
「佳奈ちゃんと葵ちゃん!今から一緒に学校行かない?」
「でもお兄ちゃんg……」
「いいから いいから」
そう言って俺をほって3人で行ってしまった。仕方なく俺は一人で学校に行くことにした。
キーンコーンカーンコーーーン
キーンコーンカーンコーーーン
キーンコーンカーンコーーーン
キーンコーンカーンコーーーン
入学式が終わった。佳奈と葵は教室で説明を受けるらしく帰りも俺一人で帰った。家は今アパートを借りている。大家さんに事情を説明すると、
「まぁ……お金さえ払ってくれるなら……」
と言って俺達を受け入れてくれた。
「「ただいまー」」
「おう おかえり」
俺は2人を迎えてお風呂の用意をしだした
「お前ら着替えはもったか?」
このアパートには風呂がないから俺達は近くの銭湯に入っている。葵は最初は驚かれたものの何日も入っている間に男風呂の天使とよばれるようになっていた。葵を見たら目にいいとまで言われ、わざわざ東京から客がくるときもある。ちなみに、風呂を上がった後は、佳奈も葵もすごく男からの視線を浴びている。俺は、これまで5回ほど警察に連れていかれそうになっている
あれ……俺だけ不遇じゃね?
「そうだ 2人は部活に入んねえのか?」
俺は2人にそう質問した。すると2人は声をそろえて
「「行かない!」」
と答えた
(だってお兄ちゃんと過ごす時間が減るじゃん)
(だってお兄さんと過ごす時間が減るじゃん)
2人とも何かをボソッとつぶやいたが声が小さすぎて聞き取れなかった。
25年の思い出 @suinudalua
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