異端者たち
バブみ道日丿宮組
お題:小説の中の外側 制限時間:15分
異端者たち
小説の中身を外に出せるとしたらどうしようか。
さてまず君にそんな話をする時点で結果は見えてるのだろう?
そう……君のその能力でありとあらゆる異世界の技術を提供して欲しいのだ。
報酬はたっぷりある。
なんだってあげられる。
生命、死体、名誉、王位、とまぁこれは僕の好きなものなんだけどね。
さてそろそろ君のトイレの補充も交換できたし、飲ませてもらおう。
この味は他と違って、栄養素が高い。
科学的に調べてみても、これは尿とはいえない物体だ。大便のほうは君がいやがるからまだ調べていないが、きっと歴史に残る化合物が含まれてるに違い。
だからこそ、だからこそだよ。
君のその能力に惹かれたのは。
だったら、拘束をといてほしい? 服を着せて欲しい? 学校に戻して欲しい? 家に返して欲しい?
おいおいそんなことをしたら、僕の夢はどうなるんだい?
君はただの生徒で終わっていい人間じゃない。特別な人間なんだ。
悪にも正義にもなれるね。
あぁいっとくけれど、僕は悪だ。
見るかい?
そう、この家の中にはあらとあらゆる人物が拘束してある。
なんでかって?
人間って生物を調べるためだよ。
不自由は与えてないし、然るべきときがきたらお金を与え記憶を失ってもらう。
そうだな……君が覚えてるかどうかはわからないけど、突然いなくなった妹がいただろう?
そう起こるなよ。
彼女にも不思議な力があってね。塩を砂糖にかえる力を持ってたんだ。もっとも本人が食べても塩にしか感じない欠点があるから信用されなかったけどね。
そういう人たちを集め、莫大な資金とノアの箱舟とも呼べる物質を確保した。
何があっても大丈夫なようにね。
そしていちばん大事なものが君さ。
君はある意味なんでもできる。
それこそ魔王を倒す最強装備、超電磁砲、ロボット。
空想が現実になるなんて素晴らしいだろ。
あぁ、残念だな。
君もやっぱり姉というべきか、認識できていないようだね。
ほら、さっき僕が飲んだこの尿。手を入れてみるとね、なんとさっき話してた服が出てくるんだよ。
どうした? 顔色が赤いぞ? あぁお気に入りのブラジャーだったのかな。
それは失敬した。
なにせこちらがワードとして提供したものに関して重大と考えるものが出てくるからね。
今だと、そうだね。拘束、服、学校、家、最強装備、超電磁砲、ロボット、ノアの箱舟、資金、人、妹をこの尿から取り出すことができるよ。
あぁそうさ、僕もそういう能力を持ってるんだ。
君は尿の物質を変えることができる。僕はそれを組み替えて本来のものにできる。
いい仕事の相手にならないか。
君がトイレをするたびに、世界が動く。
なに、人前でする必要はない。
ただ僕が用意した機械の中で、僕のために見せてくれればいい。
ふざけないで? そう、あなたのいいなりにはならないか。
要素はそろってしまったね。
これで君は僕のいいなりになる尿を自分で飲まなくなきゃいけなくなった。
さぁ、はじまりを終えようか。
異端者たち バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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